RUALA角薫さんのびよう道 〜大切なことは、亡き師匠とお客さまに教えていただいた。女性美容師として駆け抜けてきた30年の紆余曲折〜

難病で3カ月入院・3カ月リハビリ中に感じたこと

 

 

トップスタイリストと店長、そして独立と経験を積んできましたけれど、自分が一人前だと思ったことは一度もありません。でも、2年前、病気をして入院したときに、私がいない間も、みんながRUALAを支えてくれていたのを見て、自分の力を後輩のみんなに引き継ぐことができたことを感じました。

 

 

私の病気は、多発性筋炎という難病で、どんどん筋肉がやせ細り、介護状態になります。入院中は介護ベッドで立ち上がり、歩行器で歩いていました。一人では、トイレにもいけないし、お風呂にも入れない。入院が3カ月、リハビリが3カ月。人生で初めて半年休むことになりました。

 

私としては早く復帰したいし、その気持ちをみんなにも伝えていました。「角さん、早く戻ってきて!」みたいに言われるかと思っていたんですけれど「角さん、焦らないで!無理しないで休んで!」とたしなめられたんですよね。私がいない間、みんなでお店を守って、私のお客さまも引き継いでくれていて、そのおかげで失客もしなかったんですよ。みんなのおかげでまた一つ階段を登ることができた気がしました。

 

人生を変えてくれた師匠の言葉

 

 

先程お話した師匠であるカリスマ美容師が2022年に亡くなったときは、言葉にできなかったです。同じように彼を慕うお客さまも多く、私がアシスタントをしていたことを知っている人や、私が彼のことを書いたブログを読んでくださった人が、お客さまとして来てくれています。お見舞いに行ったときに、ガンの影響で声を出しづらいなか、「頑張れよ!」と声を絞り出してくれました。その言葉を胸に、師匠から伝えられたびよう道をこれからの若い世代の美容師さんにも伝えていけるようもっともっと頑張ります。

 

プロフィール
RUALA(ルアラ)代表
角薫(すみかおる)

青森県出身。国際文化美容専門学校卒業。新卒第一期生として都内有名店に入社。原宿店の副店長、店長を経て、2016年からは共同経営者のちはるさんと独立し、原宿にて「RUALA」を設立。スタッフ全員が自分のライフスタイルを大切にしながら能力を発揮できるサロンづくりを行っている。

 

(文/外山武史 撮影/金田裕平)

 

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