Violet前原穂高さんのびよう道 〜美容師は一人じゃスターになれない！ 周りを味方に変える「やさしい九州男児」が歩いてきた道〜
美容師は一人じゃスターになれない
風向きが変わったのはサロンモデルのことを聞かれたとき。先輩がそのライターさんに聞かれて知らなかったサロンモデルの情報を僕が全部持っていたんです。綺麗に資料としてまとめてあったのでそれを見せると、めちゃくちゃ僕の株が上がりました。次の現場から「この子を呼んで」と声がかかるようになったんです。こんな風に自分からチャンスを掴みに行っていたし、準備ができていたからチャンスをものにできたんですよ。
モデルさんとの仲が良かったことが、自分のプレゼンスを上げることにつながりました。宮村浩気さんは藤原紀香さん、金子史さん（現：ancrea Aoyama代表）は蛯原友里さんとの組み合わせで一気にスターダムを駆け上がりました。僕の場合は、サロンモデルアワードで、瀬戸晴加さんと組んでグランプリを獲りました。これが飛躍のきっかけになっています。
美容師って裏方だし、人の髪がないと仕事ができません。なので、一人で有名になることはできないんですよ。だから、モデルさんやお客さまとの関係性がめちゃくちゃ大事なんです。
僕はモデルさんとお客さまを大切にしてきたから今があると思っています。喜んでもらえることだけやって、嫌なことは絶対にしない。モデルさんでも了解なしに髪を染める、たくさん切るっていうのは論外。やるなら事前にお願いするのは当然で、人として筋を通してお付き合いするべきだと思っています。その結果、多くのモデルさん、お客さまに助けていただきました。
山を越えたらまた次の山が見えてくる「一生、一人前になれない」
今は自分のことを慕ってくれる人もたくさんいますし、経営者として4店舗を構えるところまでくることができました。でもまだまだ半人前ですね。
美容メーカーやディーラーの社長さんと会食したときに驚いたのは、釣りやゴルフなどの趣味を充実させていること。「仕事が趣味ってダサいじゃないですか」って言っていたんですよ。僕の価値観では、仕事が趣味ってカッコいいなって思っていたんですけれど、仕事が一番のうちはまだまだなんだなと。大先輩方からすると仕事なんて結果出して当然で、その上で趣味に生きるのがカッコいいのだと思います。
でも、その領域に到達したとしても、また違う景色が見えてくるから、きっと一生、一人前だと思えないんでしょうね。
- プロフィール
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Violet
代表/前原穂高
宮崎県出身。大村美容専門学校卒業後、宮村浩気氏が率いるAFLOATへ。デザインディレクターなどの要職を歴任し、12年間勤めたのちに独立。2015年に表参道の骨董通りに1店舗目となる美容室『Violet』を立ち上げる。2016年に名古屋栄に2店舗目、2020年横浜NewManに3店舗目、2022年銀座・有楽町マルイに4店舗目となるViolet`jem（バイオレット ジェム）をオープン。雑誌やCM等のヘアメイクやヘアショー（審査員など）、美容師向けセミナー講師として美容業界全体の技術向上にも貢献。
Instagram:@hodaka
（文／外山武史 撮影／菊池麻美）
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