siki 磯田基徳さんのびよう道〜「感謝」を忘れないこと。接客業でもある美容師は”人間性”が全て〜


 “やらされている感”を出さずに、何でもやってみよう

 

 

コンテスト入賞者も増えてきたので、今年は「実力のあるサロン」から「一流のサロン」をテーマにした教育を始めました。一流になるには、接客、店内のムード、圧倒的技術が必要ですよね。これまではアウトプットに力を入れてきたので、今年はインプットも取り入れて弱点を克服していこうと思っています。

 

具体的には、毎月のオーディションを隔月にして、講習を取り入れることにしました。うちはiPhone撮影ができても、カメラを使った本格的な撮影に慣れてない子が多いんです。カメラ撮影を強化していくため、前回はカメラマンを招いた講習会を行いました。次回はカメラで撮影したスタイルを全員で発表します。ショートカットも強化しようと思っているので、講習では僕がショートの撮影を見せて、次はショート限定で撮影、というようにインプットとアウトプットを交互に取り組んでいく予定です。また、世界的に評価の高いヘアや上質なものにも触れておいたほうがいいと思うので、店内に本棚も作りました。僕が影響を受けた本やおすすめの本を置いて、みんなが自由に手に取れるようにしています。

 

 

こういった新しい取り組みを始めるときに、“やらされている感”が出てしまうと、どうしても「面倒くさい」とか「そんなことやっても意味ない」といった気持ちになりがちだと思うんですね。でも実際にやってみると新しい発見があったり、自己成長に繋がることもあるので、それだけは知っておいてほしいなと思います。また代表としては、やる気ある行動が評価に繋がる仕組みを作ったりして、スタッフの背中を押せるような工夫もしています。

 

“一流”の定義は人それぞれだと思いますが、美容師は技術職であり接客業でもあるので、人間性が全てだと僕は思っています。技術だけじゃなくて、感謝の気持ちを忘れないことだったり、応援してくれる仲間がいることだったり。一流への道は人間性を磨くこと、これに尽きるかなと思いますね。

 

プロフィール

磯田 基徳(いそだ もとのり)/『siki』代表

1988年生まれ。埼玉県出身。窪田理容美容専門学校卒業。都内2店舗を経て、2017年東京・表参道に『siki』をオープン。ヘアショー・コンテストで数多くの受賞歴をもち、卓越したクリエイティブに定評がある。現在、関東近郊に6店舗を展開。

 

(文/織田みゆき 撮影/菊池麻美)

 

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