TONI&GUY JAPAN 雑賀 英敏さんのびよう道 〜ロンドン仕込みの処世術 !Give&Giveで味方を増やしチャンスをものにする〜

価値観が合わなくても、その人の長所と付き合う

 

 

先輩に好かれて、信頼されると、チャンスをもらいやすくなると思ったので、どうしたらそうなれるのかを考えていました。

 

僕が働いていたサロンはイギリス人がメインで、イギリスの文化がマジョリティですけれど、僕みたいに日本からきた人間もいれば、スペイン人やイタリア人もいてカオスだったんですよ。そのなかで自分の主張もしていかないとダメだけれど、フォークとハシくらい価値観が違うわけです。そこで価値観をぶつけ合うより、理解して動いたほうが楽だし、喜んでもらえる。正直、価値観が合わない人もいたけれど、そういう場合は「その人の長所と付きあおう」と考えていました。

 

 

人それぞれ仕事に癖があるので、それを踏まえて、相手を喜ばせるヘルプをする。一人ひとり研究していくと、自分のスキルにもなるから、すごく大事なことだと思います。誰でもみんなどこかに優れたところがあるから、生き残っているわけですし。

 

そうして、いろんな人の仕事ぶりを観察したからこそ、自分のやり方も見えてきます。たとえば、イタリア人などは、自分をカッコよく見せるのが得意なんですよね。鏡越しにずっとお客さまから目を離さないんです。そんなに技術が上手いわけではないのに、お客さまの目はハートになっている。自分は真似できないなって思いました。

 

けれど、適度にお客さまとアイコンタクトを取ることとか、自分の技術が上手く見えやすい体勢のとりかたとか、すごく勉強になりましたね。そして、覚えたことをなるべく早くアウトプットする。そして反省して、次に生かす。無意識に実行と検証、改善を繰り返していたことが、上達の近道だったと思いますね。

 

偉大な父の壁を前にして感じたこと

 

僕の父、雑賀健治はTONI&GUYの功績者として知られている人で、その背中を見てきました。たしかあれは、僕が24歳か25歳くらいのころだったと思います。ロンドンの中心部にあるロイヤルアルバートホールで、TONI&GUYのメンバーが集結して40周年記念式典をしました。

 

そのステージには歴代のレジェンドが立つのですが、トップバッターが父でした。それを見たときにガーンとショックを受けましたし、「この人に勝てるわけないよな」とちょっと意気消沈したんですよね。

 

その様子を見たスペイン人の同僚が、「自分ができることをやればいいんじゃない?自分にしかできないことがあると思うよ」と言ってくれたんです。その言葉に救われて、偉大な父のプレッシャーから解放されました。

 

その後、結局僕は、ロンドンにいたころTONI&GUYの中では、立場的にNo.2のところまでたどり着くことができました。どうしても超えられない人が上いたのですが、その人は去年もブリティッシュ・ヘアドレッサー・オブ・ザ・イヤーを受賞していたから、とてもかなわないなと。日本に帰ってきて正解だったかもしれません。

 

>若いときの先行投資が、人を豊かにする

 

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