MAGNOLiA代表 MARBOHさんのびよう道 〜30年追いかけた答えがやっと見えてきた。一流の美容師になるための方法〜

どんな些細なことでも、相手を惹きつける何かを表現せよ

 

 

あれは確か僕が青山の有名店でアシスタントをしていた19歳か20歳くらいのころ。(当時美容学校は1年制)目の前に置いてあるグラスを指差しながら、当時勤めていたサロンのオーナーが「これはなんだ?」と問いかけました。「グラスですか」と答えると、「どう答えるかは自由なんだよ。ただ、ありきたりな答えしかできないのはダメだぞ」と言われたんです。

 

ようは、ここは青山、表参道という特別な期待を背負っている場所だということを伝えたかったのだと思います。相手を惹きつける何かを表現せよ、と。それから、常に普通の人が見えていない角度で表現することを意識するようになりました。

 

 

MAGNOLiAのコンセプトに「教育者を育てる」というものがあります。これは、相手を惹きつける表現を身につけてほしいからです。例えば、スタイリング剤のつけ方を誰かに教えるとき。「全体的につければそれでいいです」と簡単に教えたとします。それではもちろんダメで、プロ目線でつけ方にテクニックがあることを伝えたほうがいい。

 

これは、業界誌や一般紙の取材でも同じことで、自分たちが当たり前だと思ってやっていることに対しても、秘訣やオリジナリティを出していくべき。そういうことを毎回やっていくと、多くの人に刺さるようになるし、選ばれる美容師になっていく。そこからメーカーさんとの仕事や、審査員の仕事にもつながる。新しい仕事をいただき、そこにチャレンジすることで自分を成長させることができる。その積み重ねで、ここまでやってきました。

 

MAGNOLiAの人間は「美容師の本質は技術」と断言する

 

 

独立する前に勤めていたサロンは、メディアにも出るし、セミナーのオファーも絶えないし、まさに自分が知りたいことが詰まった美容室でした。そこで、働きながら「美容の本質とは何か」と考えていました。

 

詰まるところ「美容の本質は技術」なんです。だから技術の上達は美容師の大前提。これは今のスタッフにも「全員言えるようにしておけよ」と言っているのですが、美容の本質は技術に尽きるのだから、取材されるような機会があれば胸を張って「美容の本質は技術」と答えてほしいと思っています。僕たちはその本質を30年かけて探し続けてきたんですよ。

 

 

なかには、「本質は接客やサービスにある」「美容室の空間にある」とかいう人もいるかもしれないですが、それらは恐らく付加価値なんですよね。根幹ではなく、枝葉の部分。なぜなら、「マグノリアのお茶が美味しい」「スタッフが気持ちいい」もしくは「お店がきれいだから」という理由でリピートしてくれているお客さまなんていないんですよ。

 

根幹に技術があるから、付加価値が生きるのに、付加価値にクローズアップしがちな人が多いなと思っています。でも、ラーメンがまずいラーメン屋には誰も行かないじゃないですか。それと同じでシンプルな話だと思っています。

 

>実家の美容室は、本当は一流だった

 

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