ZACC高橋 和義さんのびよう道 努力なくして成長なし。成長なくして成功なし。これがいつの時代も変わらない真理。
ZACCの技術コンセプト「ノンテンションワーク」誕生
その人の素材を生かし、できるだけナチュラルなヘアをつくる技術は、「ノンテンションワーク」というZACCの技術コンセプトになりました。「ノンテンションワーク」は、一言で言うと力を加えないということ。例えば、僕たちはお客さまの髪を引っ張ってカットすることはしません。一般的には、「テンションをかけて切ってください」という教え方をします。しかしながら、それだとお客さまの髪の生え方を無視することになってしまうのです。
だからZACCでは、髪の生え方を考慮して、引っ張らないで切ります。髪を引っ張って切ると、戻る力が強いからおさまりが悪くなるんですよ。お客さまのお家でもおさまりやすく、扱いやすいことをテーマに取り組んできた結果、「ノンテンションワーク」がより磨かれてきました。
ブローやアイロンでも髪の毛に対して力を入れないので、柔らかい雰囲気でまとまります。それが「愛されヘア」と呼ばれるようになり、ZACCの代名詞になったのです。最近では、韓国風ヘアが人気になりましたが、例えばヨシンモリでも「ノンテンションワーク」の考え方を取り入れれば、より柔らかく、扱いやすいヘアスタイルになります。
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高橋さんのノンテンションワークを取り入れたヨシンモリパーマ
僕は美容の技術というものは、7割は真似できるけれど、残りの3割は努力や工夫をしなくては、一流のレベルまで上がらないものだと思っています。そしてその3割に「技」や「秘訣」というものになる。ZACCの場合は「ノンテンションワーク」が残りの3割から生まれたものです。今の若い人たちは、Instagramなどから簡単に見て学ぶことができます。でも、そこで学べるのは7割まで。残りの3割を自分のものにするためには、「突き詰めよう」という気持ちが大事です。
そして、残りの3割を極めた人たちが、高みに到達することができるし、3割の部分にサロンの個性や特徴があると思うんですよね。器用な人ほど見て真似られる7割の部分で止まっている気がします。そうではなく、努力を積み重ねて残り3割を埋めてほしいです。
「努力なくして成長なし。成長なくして成功なし」と僕は実感しながら生きてきました。古いと思われるかもしれないけれど、これが真理なんです。若くて才能があるみなさんには、飽きずに努力を続けてほしいと思います。
ZACC
代表/高橋 和義(たかはし かずよし)
東京都出身。1988年にZACCをオープン。現在、青山、表参道、銀座にそれぞれ個性を生かした店舗を展開。各コンセプトのもと幅広いゲストに対応し、サロンワークでは多くのゲストを迎える中でタレントや著名人も多数来店。CM・写真集等のヘアメイクを担当し、セミナーやショーも日本を含めパリ・中国・台湾などで行うなど海外にも活躍の場を広げている。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)