朝日光輝(air/TIMELESS)が語る、美容師人生ビフォアアフター【前編】
確信を持って語れること
-周囲との関係性はどう変化してきましたか?
スタッフとは昔ほど会わなくはなっているとはいえ、airの行事はほぼ顔も出していますし、話す機会もあって、ニュートラルな立ち位置でアドバイスができるようになりました。そのへんはいい付き合いができていると感じますね。個人としても仕事をしている今、一人で路面店を構えているので、昔の同級生がふらっと立ち寄ってくれたりもします。店が大きい門構えだと僕にたどり着く前に、フロントが出迎えて、後輩がいて、スタッフがいてと、入りづらかったりするんですが、ここは覗けば僕しかいないので、旧友と触れ合うことが増えましたね。
-独立して周囲への接し方には変化はありましたか?
僕よりも先に辞めて独立を目指そうとする人がいても、自分が経験していないことに関しては自分の言葉で語れなかったんですよね。airでは、新店舗の経営も経験しましたが、自分でお店を立ち上げているように見えても、結局使っているのは会社のお金ですから、本当の意味では自分主体でやったことがなかったんです。だから一から店を立ち上げる経験がほしくて、このプライベートサロンを構えたっていうのはありますね。未経験のことにチャレンジしているので、とても勉強にはなっています。それに実際にやってみると、ちゃんと「あ、やっぱりそうだな」って確信が持てるので、周囲にも自信を持って語れることが増えました。
<朝日さんの人生ストーリーから学ぶ、ポイント3>
①自分の欲にも正直に
お客さまを第一に考えるのはもちろんですが、個人的な欲を持つことも決して悪いことではなく、朝日さん自身も、後輩スタッフには「とにかく稼げるようになりなさい」「好きな洋服を買えるようになりなさい」「好きな車に乗れるようになりなさい」と伝えているのだそうです。どれが自分にとって幸せなのかはやってみないとわからないもの。個人の欲を排除するのではなく、それらの欲を満たした上で、自分にとって一番大切にすべきものを見極めることが大切です。
②素直に相談できる相手を持つ
悩みがあるときには、すぐに先輩に相談していたという朝日さん。一人で自分について考える時間も大切ですが、いつまでもネガティブな思いを抱えていては、接客にも影響が出てしまいます。そんなときは、信頼できる先輩や同期に思い切って悩みを打ち明けることで、一歩先に進むことができるはず。そしてもちろん、自分が後輩や同期からそういった相談を持ちかけられたときにも、真摯に応じることが必要です。
③自分の経験からものを語れるようになる
後輩に対して真剣に指導していながらも、自分が未経験のことに対するアドバイスには説得力が欠けていると感じ、それを補う意味で店を構えたという朝日さん。確かに「自分も経験していないからわからないけれど…」というアドバイスを後輩にしていては、自分でも自信を持つことができないですよね。自分の経験からものを語れるようになるためにも、自分に不足していると感じたことは積極的に行動に移し、自分の言葉に説得力を持たせるよう意識しましょう。
- プロフィール
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美容室airプロデューサー/TIMELESS オーナー
朝日 光輝(あさひ みつてる)
個々の頭の形や髪質に合わせて自然な魅力を引き出す高い技術で注目を集める。数々の有名女性誌の表紙やファッションページ、ショーのヘアメイクを手がけ、トップモデルらから厚い信頼を得る。『マトリックスで考える 売れる美バランス』(女性モード社)、『愛されヘア&メイク』(ベストセラーズ)、『あなたの美を引き出す 正しいヘア&メイク辞典』(高橋書店)など著書多数。
(取材/文・阿部 夕華 撮影/菊池 麻美)
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