弱冠27歳の『シザーズリーグ』シード美容師! サスーンで磨いた“本物”のカットを武器に躍動する、beepヤマグチヒロムさんって何者!?
自分の売り上げはそこそこでも、スタッフが安定した収入を得られる仕組みづくりをしたい
今はサロンオーナーでもあるので、自分のお客さまのことだけではなく、スタッフや会社全体の売り上げのことを考えて仕組みづくりをするのが目下の課題です。
たとえば、デビューして1年、23歳で100万円売り上げることができたら、同年代よりは多めの手取りを得ることができますよね。そのためには、新規の数から考えて再来率を50〜70%以上に保つ必要があるけど、逆にそれさえクリアできればどのスタッフも安定した収入を得られる。じゃあ、そのためにはどうすればいいのか……そういった、具体的で再現性の高いマニュアル作りに力を入れているところです。
僕の美容師人生の中で、自分自身が何かをできなくて辞めたいとか、辛いとかは思ったことはあまりないんですよ。ただ、店長になってみて、アシスタントから必死に育てたスタイリストが辞めてしまうのは痛恨なんだなと実感しています。僕自身、新卒で入社したサロンは1年で辞めているので人のことは言えないんですけど…(笑)。
だからこそ、離職を防ぐためにもデビューしたら早期に一定の売り上げを出せて、かつそれを還元できるシステムは重要だと考えています。
これからの目標で言うと、やはりいちばんはスタッフの集客のボトムアップ。自分の目標は、もう少し売り上げを上げつつ、セミナーの仕事を増やしていくことです。
年齢の割に地に足の着いた目標であることは自覚していますが、実はこう考えられるようになったのは最近のことなんです。以前は、「イケてる美容師はこうあるべき!」と、理想論ばかりを掲げていましたが、やっぱりそれでは人はついてきませんね。
自分自身もこれまでたくさんの人に支えてきてもらったし、美容室は“人ありき”なので、人に寄り添ったマネジメントができればいいなと思っています。
- プロフィール
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beep/店長
ヤマグチ ヒロム
新潟県出身。国際文化理容美容専門学校卒業後、都内の大手有名サロンに入社。1年間のアシスタント期間を経てSassoon Academy Londonへ留学。首席で卒業しディプロマを取得。帰国後は父親の経営する東京都、王子のヘアサロンでカット技術を磨き、2021年に赤羽にオープンしたbeepの店長となる。サロンワークの傍ら、セミナーなどではサスーン仕込みのカット技術を日本人向けにレクチャーを行っている。
Instagram:@beep_hiromu
(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)