【美容師&ブライダルヘアメイク野口忍の勝算】激変するブライダル業界に二刀流で挑み、新婚夫婦が顧客化する仕組みとは
無料体験会を機に、ヘアメイクの依頼が殺到
——ヘアメイクサロンを3年で辞めて、そのあとはフリーランスに?
いえ、実は燃え尽き症候群になっちゃって、一度実家に帰ったんです。両親が地元・茨城でヘアサロンを経営していたので、そこを半年ほど手伝ってました。それまであまり経験しなかったメンズカットも担当し、両親から刈り上げなんかも教えてもらったりして。そうこうしていたら、母が急逝してしまって…。それが人生の分岐点になりましたね。もし父まで倒れたら、自分が面倒を見なければならないなと考えたときに、しっかりしなきゃと。それで、独学でビジネスについて学び始めました。学んでいくうちに「自己ブランディング」の重要性に気づき、27歳でインスタを始めました。
お金もしっかり稼いでおきたかったので、池袋の単価が高いサロンで働き始めたんです。そこで指名がつくようになり、1年で指名売上100万を達成して。その勢いにのって、思い切ってお店を出そうと思ったんですね。でも理想の箱が全然見つからなくて、20代でお店を出す夢が儚く散ったな…と落胆していたら、昔お世話になったサロンオーナーから連絡がきて「新しくサロンを出すから手伝ってよ」と。それで承諾し、その新店舗に行きました。
そこで働き始めると、わりと自分の時間ができたので、定休日に何かイベントをやってみようと考えました。それでブライダルヘアメイクの無料体験会を開催したんです。インスタで募集したら、めちゃくちゃ来てくれたんですよ。当日の式のヘアメイクまでお願いされたりもして、反響も良くて。そこから体験会を増やしました。ドレスを借りてヘアメイクをして、発信用に作品撮りも結構やりましたね。
平日はサロンワークと前撮りのヘアメイク、土日は結婚式に出張ブライダルヘアメイク、みたいな感じで休みなく働きました。サロンワークをしながらブライダルをしている美容師はあまりいないので、それを独自性として打ち出し、インスタでアピールして。そこからどんどん仕事が舞い込んできて、土日にサロンワークを休む弊害が出てきたので、1年弱でフリーランスになりました。いまお世話になっている『GO TODAY SHAiRE SALON』で働き始めたのが、29歳でしたね。
週末は出張ブライダルヘアメイクの予約がメインに