【金子史】有名大型店22年の勤務を経て華麗なる独立!東京タワーが見えるリュクスなサロンancrea Aoyamaは大型サロンとシェアサロンのいいとこ取り
出店前にフリーランスを経験し、コンセプトのヒントに
——前店を退社されて、準備期間中はフリーランス美容師をされていたそうですね。
そうなんです。半年の予定でしたが、ビルの建設が遅れたので結局1年弱フリーランスをしました。恵比寿の面貸しサロンで働きながら、週1〜2日は銀座エリアのお客さまに対応するため、銀座のシェアサロンを利用していたんです。近年はフリーランス美容師が増えているので、退社したら絶対にシェアサロンで働こうとは思っていました。実際に働いてシステムについて知りたかったですし、フリーランス美容師がどんな心理で働いているのかも探りたかったんですよね。
——なるほど。フリーランス経験はどうでしたか?
前店では同時に最大8枠とか施術していたこともありましたが、フリーランスは個室でマンツーマンなので、その環境がすごく新鮮でしたね。アシスタントを1人雇っていたんですが、お客さまがお連れの場合が多くて1席だと足りないんです。なので、席が埋まりにくい午前中の早い時間や、午後の遅い時間などによく利用していました。たまに3〜4時間かかる施術の予約が当日キャンセルになることがあって、そんなときにすぐインスタなどで「キャンセル出ました」と呼びかけ、すぐに集客できるようなSNSに強い美容師さんじゃないとフリーランスは難しいんだろうなと思いましたね。私はSNSに弱いので、空いた時間はアシスタントに技術を教えたりしていました。
——当日キャンセルは辛いですね…。とくにフリーランスは収入に直結しますから。
そうなんです。実際に働いてみたことで、いろいろな気づきがありました。フリーランスは自由な働き方ができますが、マンツーマンなので売上はそこまで上げられないですし、顧客様がいない状態で若くしてサロンを飛び出す形でフリーになると、美容師だけでは生活できずバイトを掛け持ちしている人がいたりします。また集客は個々のSNS頼みになってしまいます。なので出店にあたって考えたのは、大型サロンのようにサロンでも集客できるようにすること。その上で正社員雇用で社会保険はしっかりあって、働き方はフリーランスに近づけようと。両方のいいとこ取りですね。自由にお休みが取れたり、自分の時間を有効的に使えるような、そんな雇用にしていこうと思いました。
——ハイブリッドなサロンを目指されると。
つくっている途中なので、まだまだこれからですけどね(笑)。40坪オーバーのスペースに今は12席ありますが、スタイリスト2名、アシスタント4名です。面貸しもしていて、フリーランスのYouTuber美容師さんがときどき個室を使ったりしていますが、まだ席を増やせますし、いろんな試みができるようにしていて。私が育ってきた時代はすべての技術を網羅する美容師が当たり前でしたけど、最近は得意分野の技術に特化して集客する美容師さんが多いじゃないですか。そんな特化型のスタッフがうちに集まってくれたら、みんなで勉強会をすることでアシスタントが全て強くなれますよね。だから、これからスタッフを増やしていく上で得意分野がある方に参加してもらえたら、なんて思っています。