有名店でアシスタント歴4年半。社内コンテストが分岐点に

今、振り返ってみると、アシスタントの業務は結構好きでしたね。だから苦ではなかったです。途中からカラーを全面的に任されていたので、仕事がすごく楽しくて。もしかしたら、スタイリストがカラーが得意じゃなくて、アシスタントに丸投げしていただけだったのかもしれないけど、僕にはそれが嬉しくて。もっとカラーの表現の幅を広げるために、お店にある商材で検証しまくっていました。ブリーチをしたり、みんながやっていなさそうな配合を探したり、独学でカラーを習得していった感じですね。

入社当初は先輩に怒られまくりで「自分は仕事ができないんだ…」と思っていた時期もありました。そんな僕の気持ちを切り替えてくれたのがコンテスト。アシスタント対象のコンテストがあったので、尊敬する先輩からの指導を受けながら、教わったことを僕なりに理解して実践してみたんです。するとグランプリを受賞して。その経験で自信がついて、いろいろうまく回り始めた感覚がありました。なので、コンテストが僕にとって美容師人生の分岐点だったなと思っています。

通算4年半のアシスタント期間を経て、カットの技術試験をパスし、デビュー目前というタイミングで、退社する道を選びました。スター美容師がたくさんいるこの職場で、自分が突き抜けていくのは容易ではないと思ったからです。それよりも有名店の看板を外して自分がどこまでできるのかな、という挑戦心みたいな気持ちが強かったかも。自分が打ち出すブリーチカラーで、SNSを使って発信してみたら面白い展開になりそう、などと思っていたところ、これから新店舗の立ち上げるという友達から声をかけられたんです。

＞新店舗立ち上げに参加。4年後に渋谷で『ALT』をオープン