人気サロンの採用担当者が語る採用のポイント「artifata」編
履歴書の写真にも美的センスが表れる
-採用担当者として思わず好印象を抱くポイントについて教えてください。
育ってきた環境や、自分が歩んできた道というのは、隠しきれないものであると思います。やっぱり、一生懸命な人、苦労してきた人からは、それがどこかしらかにじみ出てくるものです。
例えば、履歴書。本気の学生さんは、履歴書の文字からも気持ちが伝わってきます。上手な字ではなくてもです。写真の切り方からも、美的感覚が見えてきます。綺麗に切る人もいれば、こだわりがない人もいますが、やはり惹かれるのは、ハサミの入れ方にこだわる人ですね。
電話の問い合わせでもそうです。だから、一つひとつの行動が、面接と同じ意味合いを持っていると思っていただくといいかもしれません。
もちろん、面接のときにも、その人が持っている空気感とかオーラとか、感じるものがあります。大きな目標や信念を持っている人からは、言葉にできない何かが伝わってくるのです。
―採用審査の段階で「これはちょっと…」とマイナスな印象を抱いてしまうポイントについて教えてください。
マイナスの印象を受けることはありません。どちらかというと、「価値観の違い」を感じるだけですね。人として素晴らしくても、artifataと合わない…というケースもあると思います。
一方で、専門学校などで、良くも悪くも「artifataは厳しい」という評判が立ってしまっており、本気度の高い人しか受けにこない、ということも言えるかもしれません。実際のところは、厳しいというよりも、「親のような愛情をもって丁寧に育てる」というスタンスなのですが…。
私たちは、これから入る仲間を、一時的な売れっ子にしたいわけでありません。死ぬまでハサミを持って、お客さまから必要とされ続ける美容師を育てたいと思っています。artifataの教育は、「生涯美容師」に向けたものなのです。
―早期退職された方に共通している点はありますか?
私たちが仲間を見捨てることはありませんが、ギブアップする子はいます。もうちょっと大きな視野で未来を見れば耐えられたのに…と本当に気の毒になります。
辞めてしまう人の共通点は、生涯美容師としてお客さまに寄りそう、という目標を見失ってしまう。もしくは、仲間を信じる力がいつの間にか弱まってしまう…そういうところが共通していると思います。
私含め、店長、副店長、採用担当が本人と話すのですが、それでも…という場合は仕方がありません。ただし、辞めるスタッフはゼロであってほしいので、退職を防ぐためにどんなサポートが必要だったのか、関係者で徹底的に話あうようにしています。
ちなみに、こうした振り返りを大事にしているので、離職率はかなり少ないほうだと思います。
2択で迷うくらいなら採用枠を増やす
―採用残り枠1名に対して最終候補者が2名。最終的に何が採用の決め手になりますか?
artifataという船に乗せられる仲間かどうか見ているので、仲間として信頼できるのであれば、二人とも採用します。採用枠を増やす、ということです。魅力的な仲間を受け入れるためだったら、多少の無理をしてでも売上をあげる努力をしますね。
大海原を航海するときは、いつも順調とは限りません。大嵐がくることもあるし、いつも見る仲間の顔が嫌になる日がくるかもしれない。もしくは、「もうこの船を降りたい」って思うときもあるでしょう。でも、そんなときにも、仲間と話し合って、前に進んでいける…そんな風に感じられる人というのは貴重ですから。
それでも、どうしても1名、という場合は直感ですね。これは理屈では説明できない世界です。