人気サロンの採用担当者が語る採用のポイント「VeLO & vetica」編
個人のおしゃれさは仕事の本質ではない
-採用審査の段階で「これはちょっと…」とマイナスな印象を抱いてしまうポイントについて教えてください。
原宿という土地柄もあると思うのですが、「おしゃれサロンスタッフになりたい」という点を猛烈にアピールする子はマイナス印象ですね。サロンスタッフはよく一般誌などのメディアで「プライベートな私服を公開して」とか、「ライフスタイルの一部を紹介してください」と依頼されることが多いのですが、そうした個人のおしゃれさというのは、美容師の仕事においては本質ではなく、プラスアルファの要素でしかないと思っています。
私たちの仕事はお客さまを綺麗にして喜んでいただくことで、美容師としての喜びもそこにあると思うんです。ですから、おしゃれサロンスタッフに憧れて「自分はとてもおしゃれです」とアピールしても、それだけじゃ足りないよと感じてしまいます。
-早期退職された方に共通している点はありますか?
早期退職者の辞め方としては、次のステージへの挑戦という前向きな熱量があるからではなく、現状のルーティン生活から逃げ出したいという気持ちから「別のところで何かやりたい」と言い出すのが特徴です。でも今のところ、そうした早期退職者で宣言したことを叶えた人は見たことがないですね。
それから、表面的な憧れだけで入社してしまう点。実際、勤務時間も長いですし、撮影やセミナー、ヘアショーなどサロンワーク外の仕事もかなり多いのですが、華やかさへの憧れだけで入ってくる子は、その裏にあるモデル探しの苦労までは想像できていないんです。目標や夢を叶えたいという子にとっては必要と感じられることが、表面的な憧れだけで入社した子にとっては大変になっているのだと思います。
ポジティブな人は叱られる経験が成長につながる
-採用残り枠1名に対して最終候補者が2名。最終的に何が採用の決め手になりますか?
雰囲気や話し方を含めた明るさですね。緊張しているのだとは思うのですが、「売りは何ですか?」と聞いても「私は笑顔が売りです」と真顔で答えてきたりと、意外と面接で暗い人は多いんです。
それにポジティブな明るさを持っている人の方が、成長にもつながりやすいと思います。入社後は、技術面や接客面で叱られる経験って絶対あると思うんですね。そういうときに、卑屈になったり、人のことをまず疑って相手を見たりするタイプは、「ただ叱られた」と考えてしまうのですが、愛されて育ってきたポジティブな人は、まず人を信じることができるので、相手が愛情を持って伝えていることを理解できるんです。