あなたはどっち? ポジティブ転職・ネガティブ転職【美容師転職100ルールズ】
一度の転職で満足のいく美容師ライフを手に入れることができる人がいれば、何度も転職を繰り返してしまう人がいます。その違いは、多くの場合「転職の目的が何だったのか」ということに関わっているようです。
ポジティブAさんの場合
頑張り屋のAさんは焦っていました。専門学校の同期が、ぽつぽつとスタイリストデビューを果たし始めていたからです。Aさんはいつスタイリストになれるのか全く見通しが立たない状態。現在勤めているサロンに大きな不満はなく、オーナーや先輩たちを尊敬していましたが、入社してくる後輩もいなく、長い間アシスタント生活を送っていました。しかもそのサロンにはカリキュラムも用意されておらず、「何を目標にしたらいいのか分からない」だけでなく、「自分の技術や接客が世間で通用するか分からない」という大きな不安を抱いていたのです。
高校時代から付き合っている彼女を幸せにしたい、という想いもありましたが、今のサロンで働き続けていては、いつ実現できるかわかりませんでした。そこでAさんは、「教育カリキュラムがしっかりしているサロンで、スタイリストデビューを果たす」という目標を掲げて転職活動を開始。スタイリストデビュー後も店長やエリアマネジャーなどのマネジメント職を経験し、将来的には独立できるようにと「教育熱心で店舗拡大中のサロン」を探すことにしたのです。「目的を達成するために、どんな壁も乗り越えよう」という決意を胸に秘めて…。
ネガティブBさんの場合
「なんで私は不幸なんだろう」が口癖のBさんは、今勤めているサロンに不満をいっぱい抱えていました。「オーナーが私のことを分かってくれない」「休日が少なすぎる」「拘束時間が長い」「撮影などのクリエイティブな仕事をするチャンスがない」「早朝からレッスンがある」などなど。自分にとって都合の悪いところばかり気になってしまい、これまでにも転職を2回経験していました。転職理由はいずれも「今よりいいサロンに入りたい」という漠然的なもの。言い換えると「今のサロンを辞めること」が目的になっていたのです。
Bさんの転職活動はまず「このサロンは、自分には合わない」と不満を述べて、サロンを退職するところからスタートしました。その後は、求人広告を見ながら「完全週休2日」「土日休み」「アットホーム」など魅力的なキーワードを並べるサロンを探し、あまり深く考えず応募をしました。Bさんは、とにかく今のサロンを辞めて、少しでも働きやすいサロンに入れさえすればよかったのです。「嫌なら辞めればいい。サロンはいくらでもあるし」と自分に言い聞かせながら、Bさんは転職活動を続けました。
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