【NARUMI】ママ美容師から経営者へ。育児との両立に悩み、働きやすい環境を整備した女性専用シェアサロンを起業。立ち上げから2年で全国展開も!
ママ美容師であれば誰もが育児と仕事との両立に悩み、限界を感じた経験があるのではないでしょうか。今でこそ”時短勤務”という働き方があるものの、出勤時間の調整や急な呼び出し対応などは簡単ではなく、子育てに十分に寄り添った制度とは言えません。そんな状況下で理想の働き方を追求し、2年前に東京・代官山で女性専用シェアサロン『nuu(ヌー)』を立ち上げたのが、ママ美容師のNARUMIさんです。オープンするやいなや、瞬く間に注目され、4ヵ月後には同エリアに2店舗目『nuu fem(ヌー フェム)』を出店。さらに昨年11月には、ユニセックスシェアサロン『suu(スー)』を下北沢にオープンしました。今夏には、東海エリア最大級となる名古屋・栄店もオープン予定。この勢いの秘密を探るため、代表のNARUMIさんにお話を伺いました。
「時間をもっと自由に使いたい」という強い想いから発案
——お子様を24歳で出産。そこから8年間は正社員として働かれていたそうですが、そこから女性専用シェアサロンを立ち上げるに至ったのは、何か思うところがあったのでしょうか?
やはり正社員ですと「時間」に縛られてしまうので、子育てをしていく中で見舞われるさまざまなトラブルに臨機応変に対応できないというのがあって、そこにすごく苦痛を感じてしまったのが大きいです。子育てを始めたばかりの頃は24歳と若かったですし、デビューしたばかりで「どうにか子育てをしながら仕事がしたい」という思いでいっぱいでした。当時は体力も気力もあったので、なんとかこなせていたのかなと思います。
仕事と育児の両立に関しては、子供が小学生に上がってからも壁にぶつかります。実際に我が家でもそうでした。環境の変化が大きかったようで、これまでのようなスムーズな登校が難しくなりました。子供とじっくり向き合う時間も必要でしたし、その一方で出勤時間への焦りもありました。時短勤務を利用していても、それでも出勤時間はオープン時間に合わせて決まっていますし、子供に何かあっても途中でサロンワークを抜けることも難しいわけです。親として美容師として、仕事とのバランスに悩む毎日がどんどん辛くなっていきました。
そこでママ美容師がのびのびと自分らしく働ける環境が作れないかなと思って、女性専用シェアサロンの構想を勤務先(soco)に相談したんです。そしたら、社長(関山善博氏)がその想いに共感してくださって、「じゃあやってみるか」と。それでタッグを組ませていただいて、共同経営という形で出店することになったんです。私は経営の素人ですし、ノウハウを教えていただきながら代表として挑戦してみることになりました。1店舗目は、私も働いていたサロンを『nuu(ヌー)』に変えて、立ち上げたんですよ。私と同じように働き方を変えたいスタッフが他に2人いたので、最初はそのメンバーたちとスタートしました。