凡人の自分を完全否定! アイディアを却下し続けた先に革新がある -stair:case 中村太輔の習慣 後編-

 

日本にまだ「カラーリスト」という言葉が浸透していない時代から、20年以上もカラーリストとして最前線を走り続けてきたstair:caseステアケース) 中村 太輔(なかむらだいすけ)さん。試行錯誤しながら、日本にヘアカラー文化を根付かせた経歴を持ち、普通とは違う道を選び続けてきた人物だけに、その趣味や習慣にも独特の哲学があります。今回はそんな中村さんの習慣に迫ります。インタビューは前編・後編の2回、今回は後編です。ぜひ前編とあわせてご覧ください!

 


 

凡人の自分が嫌で仕方がなかった

 

 

僕の本来の性質は、器用貧乏なところがあるくらいで、本来はいたって普通。あんまり尖った部分がないんです。前職の上司や先輩にも「この世界は、わかりやすい特徴があるやつでないと生き残れない」と散々言われ続けてきました。自分もそう言われて悔しかったから、若いときは「不思議ちゃん」を目指したこともありました。天真爛漫で目立ちまくる不思議ちゃんは、僕の対極にいる存在だったんです。

 

僕の頭の中から自然に出てくる答えって、普通なんですよ。カラーリスト自体がまだ珍しい時代で若いうちから業界誌の仕事もたくさんやらせてもらえました。ただ、業界誌の仕事では人と違う作品を期待されるため、アイディアを出すのに苦しみました。でも、あるときから、自分が尖った特徴のない人間であることを認めて、「自分を否定」することで、アイディアをひねり出すようにしたんです。

 

 

まず、自分の頭にパッと浮かんだアイディアはスルーします。2つめのアイディアも、まあ普通の人が思いつきそうなものなので却下。

 

3つめぐらいからだんだん苦しくなるんですけれど、3つめのアイディアも切り捨てます。4つめともなると、もう頭をふり絞らないと出てこない。でも、面白いと思えるアイディアは、「さすがにもう出てこないだろう」と限界を感じたその先にしかないんです。

 

苦しいけれど、それを10年以上続けてきたから今の自分があると思っています。

 

>「伸びて気になる」と言われても、リタッチに逃げない

 

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