Z世代カリスマ美容師の何苦楚魂(なにくそだましい)に火をつけたコトバ iki TENDOのコトダマ

 

第一線で活躍する美容師の人生を変えた「恩師の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。今回は、iki omotesandoの代表、TENDOさんです。「#ハンサムショート」のパイオニアであり、カリスマ性のある美容師&オーナーとしても知られています。スタイリストになるまでは、波瀾万丈な人生を歩んできたTENDOさんが、どんな言霊に動かされてきたのか教えていただきました。

 


 

16の夜「で、お前はどうするの?」の一言で目が覚める

 

 

元々、僕は街をフラフラするタイプの人間で、中学卒業後は高校に行かずにただ遊んでいました。まさにクズな10代を送っていたんです。よく一緒に遊んだ仲間は5人くらいいて、全員が「今が楽しければええやん」という感じでした。「このまま気づいたら大人になっているんだろうな」と思っていたんですよ。

 

でも、ある時を境に、一緒に過ごしていた友人たちが高校へ通い始めたり、仕事を始めて会えなくなったりと、僕から見れば寂しい変化が続いたんです。それでも、その時点ではただ遊ぶ仲間が変わるだけで、依然として「今を楽しめばいい」と思っていたんですよね。

 

 

決定的だったのは16歳の時。ドラマのようなワンシーンではないけれど、公園のベンチに友達と座り、ジュースを飲みながら話していたんです。普段一緒にだらけている友達が、「俺、将来はこんなことをするんだ」と自分の夢を語り始め、「ええやん。応援するわ」と返事していたんですよ。でも、その友達から「じゃあ、お前はどうするの?」と問いかけられ、突如として現実に引き戻されました。「あれ?俺はこの先、一体何をするんだろう」と。

 

それから初めて真剣に将来を考え始めました。中学時代から金髪で、当時流行っていたギャル男風のヘアスタイルにしていて、美容師が面白いかもしれないと思ったんですよね。でも、美容師には免許が必要やなと。正直、母との関係はあまり良くなかったんですが、「美容専門学校に行きたい」と伝えると、「そんなことを言うの初めてやな」と驚きつつも、背中を押してくれました。

 

 

美容専門学校に入学して真面目に学んでいると、フラフラしていた時期に離れてしまった友達と再びつるむようになりました。「今はこんなことをやってんねん」と自分たちの進歩を共有し、ポジティブな会話が増えました。ちなみに、今でもめっちゃ仲が良いんですよ。

 

公園のベンチでの会話から10年以上が経ち、みんながそれぞれの道で花を咲かせ始めました。「今を楽しもう」と言いながら、何かに焦っていたあの頃。「お前はどうするの?」という質問を投げられたからこそ、今の僕がいます。

 

>「お前、口だけやん」先輩に痛いところをブッ刺される

 

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