カットコンテストAREA CIRCUITで無双状態! FINAL受賞者6人中4人をGARTE勢が占めた理由
3年ぶりにリアル開催となったAREA CIRCUIT 2022 FINAL。全国25会場で選ばれたファイナリスト72名が腕を競いました。グランプリは池田充聴(イケダアツトシ)さん、審査員特別賞は長谷川桃子(ハセガワモモコ)さん、米田怜穏(ヨネダレオン)さん、そして、U-25 特別賞は鈴木 竣士(スズキシュンジ)さん、という結果でした。
どうしてAREA CIRCUITでGARTEが強いのか? 受賞者4名に直接聞きました!
純粋にカットのみの腕を競うコンテストは少ない
編集部:AREA CIRCUITの受賞者6人中、4人がGARTEという快挙を達成しました。その理由を伺う前に、まずはGARTEがAREA CIRCUITに出場し続ける背景を教えてください。
アツトシ:純粋にカットの技術で競うコンテストだからです。
他のコンテストを否定するわけではないので誤解してほしくないのですが、技術コンテストの多くはモデルさんに左右されることが多い。しかも、カットの上手さよりもスタイリングや、デザインセンスが問われていると思うんですよね。それはそれでいいと思うんです。でも僕たちはカットで勝負したい。
AREA CIRCUITは参加者全員が同じウィッグを使い、同じテーマで制限時間内にカットするカット主軸のコンテストだから、自分たちの技術を確認して、どれだけ成長したかをはかる上でも大切な機会になっています。
編集部:テーマ設定はどのような感じなんですか?
AREA CIRCUIT 2022 FINALテーマ
アツトシ:会場で初めてテーマが発表されるのですが、まずテーマを紹介する動画が流れて、最後にドーンっとキーワードが書かれた画像が出てきます。2022年は、「ジェンダーレスとフェミニンさを融合させた、沈みがちな世界を華やかに彩る、ポジティブでパワーあふれる女性像」でした。技術面での制限はバングあり、前下がり・前上がりは自由、シンメトリー・アシメントリーは自由、レイヤー必須。これに応えることが前提なんですよね。
技術だけじゃない!テーマの読み取りがカギ
編集部:テーマに沿わせるのが難しそうです!
アツトシ:その通りで、文章を読み取る力が求められるんですよね。ジェンダーレスなのにフェミニンっていうのをどう解釈するか、さらにパワーあふれる女性ってどんな感じなのか、それをカットで表現しないといけない。僕は以前、この読み取りに失敗して、悔しい思いをしています。
たとえば、以前のコンテストテーマにあった「前下がりにダブルフリンジ」という言葉。直訳すると前髪が2つってことになりますけれど、カットに落とし込むとなるとやり方はいくつか出てくる。僕は、前髪の長さを変えず、内側にレイヤーを入れることによって、2層の前髪をつくりダブルフリンジとしたんです。イギリスで習った技術だったんですけれど。
結局、そのときの作品は審査員に評価されませんでした。審査員の考えるダブルフリンジと、僕がつくったものが全く別物だったからだと思います。悔しかったけれど、審査員の判断としては正しかったと僕は思っていて。というのも、お客さまのオーダーを僕が勝手に解釈してカットしたら、それはいくら技術が上手くても喜ばれませんよね。
だからこのコンテストでは、テーマの中にあるキーワードをどう表現するかがカギです。たとえば、「パワフル」を表現するなら前髪は広めで短めだよな、と。「フェミニン」はブロードライで丸くつくれば表現できるなと。「ジェンダーレス」は激しすぎないアシメントリーだったら伝わるかなとか、そんな感じです。
これってお客さまの悩みにテクニックで応えるサロンワークと同じなんですよね。ベーシックカットではGARTEのスタッフのほとんどが優勝できるレベルにあると思っているので、優勝に届かなかったのは、言葉に対する理解の面で、足りないところがあったからだと思います。
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