シラフでは語れない!? “パパ美容師”たちの本音トーク座談会
サロンワークはもちろん、雑誌の撮影、ヘアショー、唯一の休日もセミナー講師…なんてザラな美容師さん。目の回るような忙しい日々を送っているなかでも、家庭を持ったパパ美容師さんはどうやって家族とコミュニケーションを取っているのでしょうか。
『家族サービスはできていますか?』 『家事や育児の分担はしていますか?』
お酒の力を借りたちょっぴりいじわるな質問で、多忙なパパ美容師たちの悩みや本音に迫ります!
今回参加してくださったのは左手前から時計周りに、
Cocoon 代表/VAN(ばん)
モード系のスタイルを得意とするサロン、Cocoonの代表。42歳。小学校6年生の長女、小学校1年生の長男のパパ。4人の中では、最年長でパパ歴も最長。
ROVER 代表/小林直樹(こばやしなおき)
原宿の人気サロンROVERの代表。メンズにも人気がある。ヘアケア企画などの先生役もオファーが多い。37歳。3歳の長女のパパ
AFLAOT RUVUA 代表/保坂誠一(ほさかせいいち)
最強のモテサロンの新宿店を任される。奥さまも代官山の有名サロンの人気美容師。35歳。1歳7ヶ月の長女のパパ。
Belle 代表/堀之内大介(ほりのうちだいすけ)
表参道、原宿に2店舗を構える人気サロンの代表。飾りすぎないスッピンっぽいおしゃれ髪が得意。36歳。4歳の長女、3歳の次女のパパ。
父親になって、気づかされたことは?
-今日は、父親になってから意識の変化や家族サービスに、育児のことなど、さまざまなテーマでパパ美容師のみなさまの本音を伺いたいと思っています。まずは、パパになってから、仕事をする上でなにか変化はありましたか?
VANさん「僕の場合は、提供するサービスとして『マタニティプラン』というのを考えるようになりましたね。妊婦さんは産んだあと、ほとんど外出できなくなるから、なるべく臨月になる直前で来店してもらいたい。産む前1ヶ月、産んで3ヶ月、計4ヶ月、サロンにこなくてもいいようなスタイルに仕上げます。具体的には、レイヤーは極力入れず、持ちの良さを最優先するスタイルにします」
-妊婦さんにとっては心強いですね。
VANさん「子どもを持つ前は、『大変ですね〜』って本当に分かっていないのに、なんとなく同調していた部分もあると思うんですよね。でも自分に子どもが産まれて、『想像していた以上にママは大変だ』と身にしみて感じたので、そんなメニューを考えられるようになったんだと思います」
保坂誠一さん(以下保坂さん)「僕の場合は、お客さまとの距離が縮まった気がしています。今まで、あまり話さない人なのかな? と思っていたお客さまでも、子どもの話題だとイキイキと話をしてくださったり、僕の子どもの話をしたら、自分のことのように喜んでくださったり。まだまだそのお客さまのことを掘り出せていなかったんだなと思うと、子どもができたことで接客の幅が広がったというか…。あとは、子どもにジュースをあげるのはやめて、子ども用の麦茶を置こうとか、オムツシートはあった方がいいとか。親の目線でサロンのサービスを考えられるようになりましたね」
堀之内大介さん(以下堀之内さん)「僕の場合は、子どもつくらないの? と簡単にお客さまに言わないようになりましたね。とてもデリケートな問題なので、スタッフにも徹底的に教育したんです。あとは、ママが買い物に行って子どもが泣きはじめたら、周りを気にしてしまう気持ちが分かるので、『カーテンが閉まるからここでオムツを変えていいよ』『泣いたって全然、大丈夫だからね』と、ママのお客さまがリラックスして過ごせるような心遣いができるようになったかなと思います」
小林直樹さん(以下小林さん)「僕はみんなと視点が違うかもしれませんが、パパになってみて女性美容師が安心して働きやすい環境を整えてあげないと。と改めて思いました。うちのサロンでは女性スタッフが多いので、今後のことを話し合うときに、その子が将来的に子どもを望むのであれば、何歳くらいまでに産みたいのかとか、そのためには、どれくらいでデビューすればいいか、お客さんの指名をどれだけ持ってれば長期離脱しても心配ないのかを、よく話し合います。そこに目標を定めて、『だったら今すべきはこれだよね』ってスタッフと一緒に考えたりしています」