悩むなら読めばいい! Gallica中村飛鳥さんの美容師の悩みへ「本」の処方箋 Vol.3 【症状:お金がたまらない】
本気で美容師をしていれば技術、モチベーション、接客、教育、経営、とさまざまなフェーズでそれぞれの壁にぶち当たるのが必然。そんな数々のつまずきや悩みを「本」で解決してきたのが自他共に認める読書美容師であるGallca(ガリカ)中村飛鳥(なかむら あすか)さん。中村さんは自分が悩むようなことは必ず先人もぶち当たって、解決策を提示していると言います。今悶々と悩んでいる問題を「本」で解決できるならそんなにいいことはありません。そこで!このシリーズでは美容師さんの陥りやすいお悩みに合わせて中村さんに「効く本」を処方していただきます。
今回のお悩みは【お金がたまらない】。これはもう美容師さんに限らずですが悩んでいる方が沢山いるのではないでしょうか。本で解決できたらこんなにいいことはないですよね。是非チェックしてくださいね。
僕の経営するサロンGallicaの名前の由来は図書館から来ています。それは、私自身が沢山の本を読んで、本のおかげで、自分の人生が良くなったという思いがあるからです。
今でこそお店を経営していますが、美容師になってから独立するまでに沢山の悩みがありました。その時に役にたった本や、当時の自分に紹介したい本を、私の独立するまでのストーリーをまぜつつ、少しずつ紹介していけたらと思います。
前回、は美容師を辞めたいという悩みを乗り越えるための本をご紹介しました。当時の私も美容師を続けていこうと決め、なんとか頑張っていたのですが…。
まだ美容師として売れていなかった当時、シンプルにお金がない! 毎月のお給料が足りない! どうしたらここから抜け出せるんだろうと悩みました。
今回の美容師悩みあるあるは
第三の悩み:お金がたまらない
6畳ユニットバスに2人暮らしで切り詰める、それでもお金がない。
お金持ちになるにはどういたらいいのか?
同じように悩んでいる美容師さんへの本の処方箋は…
『ユダヤ人大富豪の教え』 本田健 著 大和書房
です。
この本は主人公の青年ケンが、お金持ちのおじさまゲラーさんに出会い、お金に対する考え方を通して幸せな生き方を教わる本です。
僕もその本の中でお金に対する見方が変わっていきました。
お金は必要なものに使い(欲しいものと必要なものは違う)、自分がやれることを一生懸命やり、沢山の人に喜んでもらうレベルまで高めれば、結果としてお金はたくさん入ってくる。だから今はお金のことは忘れること。お金を稼ぐことより、周りと自分を幸せにすることが、幸せなお金持ちになるために大事なことなのだと。
私たち美容師は仕事が好きでやっている人が多い分、他の職業と比べても仕事に目標や目的を持っている人が多いはず。力して、仲間やお客さまを喜ばせれば、お金はついてくる。そうすれば幸せなお金持ちになれるのかなと思います。
とはいえ、現状お金が足りない。今すぐお金が欲しい。
当時の僕はそう思っていたのですが、本書には金持ちになるには、貯金と投資が大切と書いてありました。そこで、今の自分の月のお金を計算して、増やせないなら、とにかく余らせることにしてみました。
交通費や保険を引いた月の手取りが13万程、
家賃:6.7万
光熱費:1万
食費:1.5万(1日500円・1食170円程)
通信:0.8万
交際費:1万
被服・その他雑費:1.5万
勉強費:2000円
貯金:3000円
こんな感じで今の現状を把握し、計画を立て、給与は少ないながら、お金を少しでも貯めるように頑張り、出来るだけお金のかからない方法で自己投資を始めました。
この時の貯金のお陰で仕事を辞めた後助かりました。
アシスタント時代は、大きな貯金はできませんでしたが、その時にお金を貯める習慣がつき、スタイリストになった時は将来の為に、毎月10万円づつお金を貯めることにしました。
さらに自分に対して投資額を増やして、勉強をしました。美容師をやりつつバイトを始めたり、メイク学校に通ったり。出来る限りのことをやってみました。
生活はアシスタントの頃と変わらなかったけど、自分の勉強にはお金は惜しまず、贅沢なものは買わず、「将来独立して働く人を幸せにする為の資金にするぞ」と考えたり、
寄付を始めて、「誰かを幸せに出来るお金なんだ!」と考えると、楽しく乗り越えられた気がします。
そして、今は、働きやすい会社を作り、当時の自分のアシスタント時代よりも給与も休みも増やすこともでき、スタッフにもお金の勉強会をしたり、幸せで豊かな生活をしてもらえるように手助け出来る人になれました。(まだまだ途中ですが)
そして、お金よりも大切な部分を忘れずにいられるのも、こうした本のお陰なのかなと思います。
お金お金と書いてきましたが、お金に対して、お金は汚いもの、稼ぐ人は卑しいという考えをなくすことも大事な部分と本書にもありました。お金持ち=悪代官(おぬしも悪よのう)みたいな(笑)
お金に意味づけするのは自分、たくさん稼いだら、誰かの為になるようなお金の使い方や、回し方に出来るといいように思います! そして、これからはそういう人こそ成功していくような気がしています。
好きなことをして、稼ぐ力・守る力・増やす力をつけ、分かち合う。
お金を通して、本当に大切なことを考え、見つけられたら私も嬉しいです! ただ、お金を溜めるだけでは、次のステップにはいけなかったのですが…。
というわけで、次回は『ファンをつけるマーケティング』のお話です!
- プロフィール
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Gallica
代表/中村 飛鳥(なかむら あすか)
長崎県出身。ハリウッドワールド専門学校卒業。都内有名サロンを2店舗経験後、2015年27歳でGallicaをオープン。顧客の顔立ちや髪質を最大限生かすヘアスタイルに定評があり、業界内外から注目を集める。サロンブランディングや人材教育にも力を入れ、現在都内7店舗、福岡1店舗。『HOT PEPPER Beauty』”GOLD Prize” 受賞。多くのセミナーの講師としても活躍。
(文/中村飛鳥 撮影/菊池麻美)