内田聡一郎のsoucutsラジオ  vol.13 「自分は何者でもないと諦める前に聞いてほしい話」

 

東京渋谷の美容室LECOのオーナー、内田聡一郎さんが若手美容師や美容学校生に向けて発信するsoucutsラジオ。サロンワーク、クリエティブ、経営、教育、ファッション、DJとマルチに活躍し、さまざまなことに出会ってきた内田さんだからこそのリアルでハッとさせられるトークが展開されています。若手美容師、美容学生をはじめ、ベテランスタイリストやオーナーなど、どのフェーズの人にも、きっと「気づき」があるコンテンツです。

 

第13回のテーマは「自分は何者でもないと諦める前に聞いてほしい話」。センスのなさや不器用さに打ちひしがれながら頑張っている美容師さんはぜひ読んでください!

 


 

絶望的にセンスがなかったアイツが…

 

今日はですね「自分は何者でもないと諦める前に聞いてほしい話」ということで、副題を「絶望的にセンスがなかったアイツが全国で一等賞を取るまでの話」として話をしたいと思います。

 

昨日、美容メーカーさんが主催している「ID」というヘアコンテストがあったんですよ。そこで僕も審査員をやらせてもらっています。その中で今日はとても印象的な出来事があったのでお話ししますね。

 

今回の大会の優勝者が、実は僕の古巣の美容室の後輩だったんです。原宿にあるveticaっていう美容室なんですけれど。僕はそこで15年、16年くらいディレクターとして所属していました。

 

当時ですね、直属の後輩に阿部くんという男の子がいまして。彼がIDのグランプリを取ったのですが、はっきり言って最初は出来が悪い子だったんですよ。オーナーに毎日叱られていたし、センスも絶望的な感じだった。

 

新卒採用で僕も面接したのですが、ぶっちゃけ「この店にそぐわないかも?」と感じて、不合格にしようと思ったくらいだったんですよ。

 

面接の時に印象的だったのが、Tシャツに水性ペンか何かで「絶対合格」と書いてあったこと。彼は緊張してめちゃくちゃ汗をかいたので、水性ペンの文字が色移りしちゃってスタッフに迷惑をかけちゃうみたいな、そんな伝説の持ち主でもあります。

 

パッと見たときの印象や言動など、僕からすると「どうなんだろうな?」って感じだったんですが、すごくピュアだったんですよね。そこが評価されて入社しました。

 

逃げたい気持ちを堪えて続けたから変われた

 

入社後もやっぱり怒られまくってたんですよね。本当に何事においても不器用だったし、センスと技術も伸びなかったんです。

 

厳しい時代だったんで同期は辞めていったりとか、同年代の美容師さんとかも自分以外の人がね、どんどん結果を出したりとかあったと思うんですよ。それで同級生の羽振りがよくなったりね。そんななか伸びない自分が不甲斐なくて、心折れそうになったことも多分あったと思います。

 

不甲斐ない自分にイラついたり、周りの人や環境のせいにしたりして、逃げたいと思ったこともきっとあったはず。それでもやっぱり彼は、持ち前のピュアさを貫いた周りの助言を信じて、吸収して、ひたすら続けていたんですよね。

 

やがて、おしゃれな表現もするし、営業中の仕上げにもこだわりが見えたりとか、服装にセンスを感じたりとか、変化が出てきたんですよ。

 

ちょっと失礼かもだけど、彼が先天的に持っていたものでは一切なくて、周りの人が教えてくれたこととか、アドバイスしてくれたことを単純に受け入れて吸収した結果だったんじゃないかなと思っています。彼は少しずつ、本当に少しずつ、成長していったんですよね。

 

>覚悟して自分と向き合い続けた人は強い!

 

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング