美容教育の新たな形 ―なぜ今美容師の教育をアウトソーシングするのか―
近年、美容業界でも働き方改革が推進され、多様な働き方が広がりを見せています。その中にあって美容師の教育にも新たな形が求められています。そこで注目される、美容教育のアウトソーシングについて、セイファートの教育コンサルタントで、スタイリスト育成プログラムなどさまざまな教育プログラムを運営する福井幸大さんに伺いました。また、後半ではアウトソーシングでの教育を導入して2年目を迎える、東京ヴァンテアングループ代表の中林章さんに、その導入理由や導入後の教育の現状についてもお話いただいています。
株式会社セイファート事業推進部
福井幸大(ふくい こうだい)
これまで数百の企業に教育・採用・販売促進に関するコンサルティングをおこなう。
また、世界最大手の職業能力評価認定機関City&Guilds(シティ アンド ギルズ)の国内事業マネージャーとして普及活動に邁進。2020年にはCity&Guilds新プログラムの開発、そして接客販売およびヒューマンスキルに関するオリジナルテキストの開発を担った。
国家資格キャリアコンサルタント /登録番号 19040103
今なぜ美容業界にアウトソーシングが必要なのか
そもそも一般企業では教育をアウトソーシングすることは当たり前に行われています。しかし美容業界では、教育を自サロン内で力技で行うことが通例になっています。その負担やデメリットを問題視せずにここまで進んできてしまったのが現状です。現在、少子高齢化が進む一方、サロンの数はさらに増え続けています。この中で生き残るには、社内での教育のコストを見直し、体系化されたカリキュラムの元、1日でも早く売れる美容師を育てることが課題になっています。
社内教育にはさまざまなコストがかかっている
まず社内教育にはコストがかかっている、ということを意識することがスタートだと思います。例えば、スタイリストが営業時間内に教育をすれば、その分の売上が下がるのはわかりやすいところです。では営業時間外での教育ならばコストはかからないでしょうか? コストはなにも目に見えるお金の動きだけではありません。スタッフには精神的・時間的なコスト(労力)がかかっています。仕事で疲れているのに遅くまで練習を見なければならない、朝早く行かなければならないのはストレスを生みます。売り上げを下げることなく、社内で教育を行うことはなかなかできることではありません。そのストレスや不満から人が辞めてしまえば、採用のためにさらにコストがかかるのです。
一方で、教育をアウトソーシングすればその分の料金が発生します。ただ、今は国からの教育への助成金制度もあります。社内の教育コストをなくし、助成金を活用して教育をアウトソーシングすることが可能なんです。