業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.05-nanuk/whyte編-
誰もが予想していなかった新型コロナウィルスの感染拡大。不安な毎日を送るなか、動き出したサロンでは、どのような取り組みをしているのかを伺うとともに、サロンからサロンへと「エールの輪」をつないでいただきます。サロンの枠を超えた「つながり」をテーマに掲げる本企画は、ご登場いただいたサロンさんからの推薦、バトン式で記事を展開しています。
今回はnanuk代表の津崎さんからのバトンを、whyte代表の浜本さんへとつなぎます。それではさっそくご覧ください!
■ nanukからのエールの輪
髪を切ることは特別なことだと改めて感じた
-新型コロナウィルスにより予測不能な面を抱えながらのサロン運営をされていると思い ます。どのような考えのもと、営業を再開されましたか。
3月中旬くらいまではお客さまの反応を見ながらの営業でした。都知事が不要不急の外出を控えるようにとコメントし、さらに緊急事態宣言で人の流れが全く変わってしまいました。サロンとしては心の備えというか「いつかこういうこともあるかもしれない」と考えていたこともあり、休業に向けてすぐに舵を切ることができました。世の中の反応を見つつ、「自分たちは今、すごい経験をしているな」という具合に客観的に感じている部分もあったんですよ。
休業に入ったのは4月8日から。ヘアサロンは休業要請の対象ではありませんでしたが、お客さまやスタッフは感染に対する恐怖もあったと思います。髪を切ることでライフスタイルをデザインする場として、コロナ禍はいい環境とはいえないと思っていました。不安のない中で、気持ちよく、髪を切ることができたほうがいいじゃないですか。それが僕たちの休業の決め手でしたね。「今は耐える時期かな」と判断しました。ちなみに、その後の渋谷はゴーストタウンのように静まり返っていましたね。
5月の頭に営業を再開してからは、来店時お客さまに検温と消毒のご協力をお願いしたり、ドリンクや雑誌の提供を控えるなど、衛生管理を徹底しています。再開後は髪を切ることを我慢していたお客さまが一気に戻ってきてくれました。とても幸せな時間でしたし、髪を切ることは特別なことなんだと改めて感じましたね。
マスク着用が当たり前になるなど、新型コロナウィルスの影響で生活様式が変わり、美に対する意識も、前と全く同じではないと思います。そのような中でも、僕たちはサロンにきていただくことで、お客さまに刺激を与えていきたい。それはファッションに対する刺激であり、メンタル面での刺激でもありますが、ヘアスタイルを通じてその人が自信を持って変わるチャンスをつくりだしていきたいですね。
休業中の時間にnanukの原点に立ち返った
-みなさんはどのような「STAY HOME」を過ごされましたか?
基本的には、一人ひとりが自分の課題と向き合う時間を過ごしました。アシスタントならウィッグでレッスンするなど、腕を鈍らせないことが大事かなと。レセプションには新人向けに社会人のマナーや礼儀、具体的には電話対応や料金の把握などを教えてもらいました。
会社としては、改めてナヌークのアイデンティティやストーリーを共有する機会をつくりました。入社式も密を避けるためにzoomでの開催です。インナーブランディングの目的で、オリジナルのムービーもつくってあったので、それを見てもらいました。
https://www.youtube.com/watch?v=CMBIg4WBwCQ
不安な時期だからこそ、我々が一体どこを目指しているのかを共有し、みんなの目線を合わせることが大事だと思ったのです。スタッフのみんなが仕事に対して前向きで「早く働きたいです」という気持ちが出ていたのが印象でした。みんな美容師をしたくてウズウズしていたようです。
個人的な話をすると、休業中は子どもと過ごす時間を大切にしました。もちろん、これまでも休日は子どもたちと過ごしていましたが、どうしても頭の中に仕事のことがありました。それが、図らずもコロナの影響で家にいることが増え、子どもと向き合えるようになったんです。こういう機会は、この先、なかなかないでしょうね。