あのカリスマも失敗してきた!? 有名美容師に聞く、「美容師人生史上、“最恐”エピソードとその教訓」前編―― ALBUM NOBUさん・ⅲ 寺村さん

 

憧れの先輩美容師はもとから完璧であるような気がしてしまうもの。しかし先輩たちも、たくさんの失敗をしてきています。大切なのは、失敗を失敗で終わらせないこと。そこで今回は、大人気のカリスマ美容師4人に、これまでの美容師人生で失敗したことと、その出来事をどのように乗り越えたのか、そこから学んだことを伺いました。驚き・秘蔵のエピソードが盛り沢山です!

前編ではALBUM NOBUさんとⅲ 寺村優太さんのエピソードを紹介します。

 


 

<目次>

 

>開いてみたら道具が何もない!? 撮影現場をまさかのアレで乗り切った!――ALBUM NOBUさん

 

>憧れの美容師から、まさかの辛口コメント…! 正しく伝える発信の大切さを学んだ炎上事件とは? ―― ⅲ 寺村優太さん

 

 

開いてみたら道具が何もない!? 撮影現場をまさかのアレで乗り切った! ――ALBUM NOBUさん

 

 

雑誌の撮影で使うヘッドアクセがない! 機転を利かせてあるもので対応

 

30歳の頃、雑誌の撮影にヘアメイクで入ったときのことです。当日、会場に着いてから、事前に渡されていたヘッドアクセの白いリボンが入っていないことに気がつきました。それどころかピンも何も、全部なかったんです。

 

ロケ地は山奥で、周囲にはお店などもありませんでした。どうしようと焦っていたら、モデルさんが「私、今日履いているパンツ、白だよ(笑)」と言ってくれたんです。冗談だったと思うのですが、頼み込んでそのパンツを借り、ヘッドアクセをその場で作成しました。使えるものはパンツと、自分のベルトのバックルと、1本だけあったゴムだけ。パンツを折りたたんでゴムできゅっと縛り、リボンのようにして、その場でヘッドアクセを作成しました。作成からセットを完了するのに、5分もかからなかったと思います。

 

引きの写真だったので、撮影した写真ではパンツだなんてことはまったくわからず、元から用意されていたヘッドアクセのように見えましたよ。スタッフの方々からは「お! そんな方法があったのね!」と言われました。とはいえ、僕は「すみません!」という気持ちしかなかったです…。

 

積んできた実績が、自信と引き出しになり、急な出来事にも対応できた

 

ヘッドアクセを忘れたのはこちらの責任。なので、自分でなんとかするしかない。たまたまモデルさんと仲がよくて、彼女が白いパンツだったので、白いアクセを作って対応できましたが、もしそうじゃなかったとしても必ず何かしらの対応をして乗り切っていたと思います。

 

サロンでは成人式のセットでレースやリボンを使って飾りを作ることもありましたし、そのほかの現場でも経験を積んでいたので「何でもできるだろう」という自信がありました。だから、何も引き出しがないってことは絶対ない。当時は、雑誌撮影のヘアメイクも週4くらいでしていたこともあり、自分が一番うまいだろうと思っていたし、それだけ積み上げてきたものがあった。だからこそ、このときもただ慌てるだけでなく、すぐにその場にあるもので機転を利かせて動けました。

 

大切なのは、日々の鍛錬。さまざまな現場で経験を積んで、自分の引き出しを増やすことです。それも、ただバリエーションを増やすのではなく、誰もやっていないものとして改良していくこと。そしてその引き出しをフルに活用して、見せ場を作る。「NOBUだったらこういうやり方をするんだ」「さすがNOBU!」と思われるようなレベルの高い仕事をすれば、それがまた経験となって自分の糧になるし、またお仕事をいただけることにもつながりますよね。

 

もちろん、増えた引き出しはサロンワークにも大いに活きます。切り方を変えてみたり、何か新たに提案しようと考えてみたり。例えば、癖毛だけどショートにしたいというお客さまがいれば、その夢をできる限り叶える。そういったときに、ヘアメイクの経験が活きるなと感じる場面もあります。ヘッドアクセを忘れたときに現場で対応できたことだって1つの経験で、自分の引き出しや自信になっていますよね。

 

>失敗から学んだ「人任せにしない」こと。優しくなったとも言われるように

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