業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.04-salon dakota/apish /JENO編-
誰もが予想していなかった新型コロナウィルスの感染拡大。不安な毎日を送るなか、動き出したサロンでは、どのような取り組みをしているのかを伺うとともに、サロンからサロンへと「エールの輪」をつないでいただきます。サロンの枠を超えた「つながり」をテーマに掲げる本企画は、ご登場いただいたサロンさんからの推薦、バトン式で記事を展開しています。
今回はsalon dakota代表の小谷さんからのバトンを、JENO代表の堀江さんへとつなぎます。それではさっそくご覧ください!
■ salon dakotaからのエールの輪
自粛明けの6月、salon dakotaとお客さまとの強い絆を実感
-新型コロナウィルスにより予測不能な面を抱えながらのサロン運営をされていると思い ます。どのような考えのもと、営業を再開されましたか?
緊急事態宣言の前後は、いろいろと情報が錯綜していましたし、どう動くか様子見のサロンも多かったと思います。そのような中、salon dakotaとしては、周りに流されることなく自分たちの判断で動くことを決めて、すぐに休業の決断をしました。
通勤やサロンワークでの感染リスクはどうしてもあります。それを避けることでスタッフに安心感を与えることを優先したかったのです。もちろん、給与も100%保証しました。「ありがとうございます。自宅待機の時間を無駄にしないようにします」「感染しないように気を付けます」と言ってくれるスタッフもいました。
営業再開後は衛生管理や、2mのソーシャルディスタンスの維持、健康管理などに徹底的に取り組んでいます。例えば、お客さまにお水を渡すことも当たり前じゃなくなったわけで、お客さまもスタッフも安心できるサロンづくりは、これからも続けていく必要がありますね。不安を抱きながらの再開でしたが、再びサロンに集まったみんなの顔から安堵感を感じて幸せでした。みんなが美容師として生き生きと働いている姿を見ることができ他こともうれしかったですね。
ありがたいことにお客さまの戻りは上々で、6月は昨年の売上と比較して120%の新記録で着地しました。しかもこれは、席数を減らし、入客数を制限しながらやった結果です。もともとウチは14時から15時までは昼休憩で、みんなでご飯を食べに行っていたんです。8年間、ずっと。それで成り立っているわけですし、これからも働き方においても新しいチャレンジをしていきたですね。
自粛明けは、新規のお客さまも増えたのですが、dakotaの強みはなんといってもお客さまとの信頼関係、絆だと思っています。女性は根元のカラーだけほかでお願いしたけれど、ほかは全部担当の美容師に任せてくれるとか、そういうパターンがとても多いです。男性の場合はもっと一途で、営業再開するまで髪を全く切っていないので「まりも」みたいな状態できてくれました(笑)。
新規獲得や回転数に注力するのではなく、今の目の前のお客さまの生涯のパートナーになるためにベストを尽くす。そんなカルチャーを僕はつくりたいと思ってやってきました。だから、電話口でのちょっとした言動に対しても、思いやりが感じられなかったり、言い訳がましかったりしたら、僕はそのスタッフを叱ります。こうした教えがsalon dakotaに染みついているから、お客さまがついてきてくださるんですよ。
体調に気をつけてしっかり休んでほしいというのが本心だった
-みなさんはどのような「STAY HOME」を過ごされましたか?
個人的に、ここ4、5年ずっとサロンの外に出っ放しだったんです。年間70本くらい外部講習があり、もちろんサロンワークもあるから休日も数えるほどしかありません。でもこの自粛中に、しっかりと先を見据えたビジョンをまとめることができました。5年後の目標、今年すべきこと、来年すべきこと、具体的な計画ができましたし、今は計画通りに動けています。
スタッフに関していうと、僕としてはゆっくり休む時間にしてほしいという気持ちが強かったので、「体調面の管理だけはしっかりしてほしい」と伝えていました。というのも、ウチはずっと忙しく働いているスタイリストが多いからです。だから、休業中にこれといった指示は出しませんでした。
ただし、自粛中もコミュニケーションはマメにしていました。僕が直接働きかけるというより、幹部のみんなが自発的に動いてくれましたね。今
回、一番不安だったのは1年目の子たちだったと思います。入社してすぐに休業ですからね。店長からケアをしてもらったり、給与の保証について説明したりして、彼らにも安心して休んでもらいました。課題として与えたのは毛髪診断のテキストだけ。あとは人混みにいかないなど感染予防を目的とした約束だけ守ってもらいました。
自粛中にInstagramの投稿をしてくれたスタッフもいましたが、SNSでの情報発信などは、自分たちで必要性を感じて自主的にやっていることなんですよ。1年目の子も毎日、セルフメイクのポイントなどをInstagramでアップしています。これはInstagramで結果を出している豊田章一郎のアドバイスです。
教育的な目的もあるし、自分に続くプレイヤーをつくるために仕掛けているのだと思います。若い子はスポンジ状態なので、飲み込みも早いですね。日に日に成長していますよ。
>どんな時代でも「言っちゃった人」と「やっちゃった人」が勝つ