お客さまの悩みを店販につなげよう! 人気5サロンの店販のプロが教える、売れる接客術6月梅雨編
6月は髪の毛のうねりや、癖が出やすいなどの悩みが多い時期。それはつまり、店販につなげやすい時期ともいえます。ですが、「お客さまのお悩みを聞いて、おすすめしてみたけど購入までつながらない…」と悩む、店販が苦手な美容師さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、人気5サロンの店販上手なスタイリストさんに取材を実施! お客さまの悩みから店販につなげるコミュニケーションの取り方を、すぐに実践できるようにロールプレイング形式で教えてもらいました。
<目次>
>ヘアケア剤の深い商品知識で、お客さまの髪の状態に合わせたご提案を −Of HAIR 大竹 祐介さん
>店販のコツは、お客さまご自身に髪の状態を把握してもらうこと−Violet 浅沼 雄元さん
>ひとつひとつを丁寧に…お客さまのお悩みに寄り添う伝え方とは?− NORA GINZA 高橋 紗季さん
>悩みを引き出すコツは質問の仕方! お客さまからのお悩み相談を待って- sand S Ginza我部 友希さん
>会話の中でお客さまをリードし、自然と店販へつなげるための秘訣とは?−MINX 花渕 慶太さん
ヘアケア剤の深い商品知識で、お客さまの髪の状態に合わせた提案を −Of HAIR 大竹 祐介さん
−6月にお客さまから受けることが多い、トラブルや悩みは?
・朝きちんとスタイリングしても、しばらくすると髪が広がったりうねりが出たりする
・スタイリングが決まりにくい
・湿気のない時期に比べるといつも以上に癖が出てしまう
―そのようなお悩みに対し、どの商品をおすすめしますか?
今回のロールプレイングでは、梅雨特有の広がりを抑えるよう、アクアバランス・オイルバランスを調整しやすい商品2つを選んでおすすめしています。
■ベースコート オブ ヘア・5
水分量が豊富。少量でなじみやすく、つける量でスタイルコントロールしやすい万能商品です。
■ベースクリーム オブ ヘア・4
パサつきを抑えてまとまりやすくするヘアクリーム。ダメージのある毛先に付ける事でダメージ部分の水分保持力をアップさせて、スタイリングのクオリティを上げることができます。
大竹さんのお悩み引き出しロールプレイング
大竹さん(以下、大竹):季節柄、スタイリングが難しいと感じるところはありませんか? 例えばこの辺りとか…。
お客さま:広がって収まりが悪くなります。
大竹:…ですよね。他にも前髪のうねりとか、表面のパサつきが出たりしますよね。
お客さま:そうです! 前髪は決まらないし、全体的にパサパサして見えます…。
大竹:お風呂上がりに髪にドライヤーを当てるのを忘れてしまって、自然乾燥で髪がパサパサになった経験はありませんか?
お客さま:はい、あります。
大竹:梅雨は空気中の水分量が多いので、一度ドライヤーをして綺麗に乾かした髪でも、湿気が髪の内部を出入りすることで、自然乾燥状態が常に続いてしまうんです。
お客さま:そういうことなんですね。防ぐにはどうすればいいんでしょうか?
大竹:髪の中のアクアバランス、オイルバランスを整えてあげることが大切ですよ。髪の中身がスカスカだと、湿気が出入りしやすくなってしまいます。インバストリートメントや、ヘアクリームなどのアウトバストリートメントなどで、髪内部の水分、油分を充実させ、外部からの湿気を出入りさせないようにすることで、自然乾燥によるパサつきやうねりを防ぐことができるんです。
ヘアクリームなどのアウトバストリートメントをつけるタイミングは、タオルドライの直後。乾いている髪につけようとすると、髪のダメージレベルなどで、髪内部への浸透がムラになってしまう場合があるので、適度に水分を含んだ髪に付けることがポイントです。
お客さま:どんなアウトバストリートメントがいいですか?
大竹:お客さまの髪質であれば、水分量の多いベースコートタイプのアウトバストリートメントがおすすめです。この「ベースコート オブ・ヘア5」は少量で伸びがよく、つける量でスタイルコントロールしやすいので、忙しい朝でも簡単に使えますよ。香りも柑橘系でスッキリしています。
これだけでも十分落ち着くと思いますが、よりよくするならば、油分多めのヘアクリームを使うのがおすすめです。例えば、この「ベースコート オブ・ヘア4」をダメージがある毛先に局所的につけてあげると、髪一本一本の毛先までコンディションが整って、スタイリングのクオリティがアップしますよ。
お悩み引き出し&店販につなげる会話のポイント
会話のポイントは基本的にお客さまがどうなりたいか、に応えられるように進めること。また、売ること自体を目標にするのではなく、知恵や知識をお伝えするという意識で会話することです。ポイントは、お客さまの悩みを伺う際に、お客さまが気づいていない部分を、先に気づいてあげること。髪の状態を見て、「こういうお悩みがありませんか?」と聞くことで、お客さまが「この美容師さんはわかってくれる」と感じれば、心を開いてくださいます。
そのお悩みに対してアドバイスをするときは、理屈っぽくなりすぎないように、余分な説明を避けるように心がけています。その上で例え話を織り交ぜながら、なるべくわかりやすくお伝えすることがポイントです。
ここまでで興味を持っていただけたら、店販商品をご紹介。情報が多すぎると混乱してしまうお客さまも多いので、僕の場合は必要だと思う方法・商品を二択くらいに絞ってお伝えします。
ほかにも、Of HAIRでは取り扱っている商品の種類が多いので、おすすめする商品を実際に目の前でお見せし、手にとっていただくことで、どういった商品なのかを実感していただけるようにしています。お客さまにプレッシャーを与えないよう、あまりたくさんの商品を提示しないようにすることもポイントです。
店販が苦手な美容師さんへのアドバイス
大切なのは、お客さまの髪のお悩みにお応えすること。それに尽きます。なぜならお客さまのほとんどは、少なからず髪のお悩みを持ってご来店されるはずですから。そのお悩みにお応えするために必要なら、自ずとそのアイテムが会話の中に登場するでしょう。
お客さまに本当に必要なものをおすすめすることで、リピートにもつながると思います。
プロフィール
Of HAIR
スタイリスト/大竹祐介(おおたけ ゆうすけ)
神奈川県川崎市出身、住田美容専門学校卒業。2001年より古里オサムに師事。現在Of HAIR表参道店のマネージャーを務め、若い女性のみならず男性客からも高い支持を受ける。サロンワークを中心にセミナーや撮影でも活躍。ヘアケア製品、薬剤に関しても知識が深く、雑誌のヘアケア記事でアドバイスする機会が多くスタッフ、顧客からも信頼が厚い。
Instagram:@yusukeotakeofhair
>カウンセリングで一番に聞く質問はあえてこれ! −Violet 浅沼さん流のご提案方法とは?