美容師のコトダマ 美容師1年目、店長が言った「もう地元には帰るな」の意味 GALA 横藤田 聡さん

 

第一線で活躍する美容師の人生を変えた「恩師や先輩の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。デザインサロンを28歳で卒業し、上質なデザインカラーで人気のGALAを立ち上げた横藤田 聡(よこふじた さとし)さん。前職の先輩の言葉を、今も美容師人生の指針にしているそう。プロの「粋」が垣間見える名言連発のインタビューです。

 


 

スター候補生が集まるサロンで受けた洗礼

 

 

僕は昔からわりと目立つタイプだったんですよ。美容専門学校でも自ら盛り上げ役になって、卒業前に「盛り上げてくれたで賞」っていう特別賞を先生からいただいたりしていて。

 

本当は朝弱かったんですけど、朝からめちゃくちゃデカい声で挨拶をしていたし、落ち込んでいる子をみつけたら、すかさず元気づけに行ったりして。そんなことを毎日やっていたんですよ。学校行事で代表として人前で話すのも好きでしたね。とにかく美容学校の2年という限られた時間を、とことん濃密に過ごしたかったんですよ。結果として、いつも輪の中心にいたんです。

 

 

でも、学校を卒業してから、社会の厳しさを痛感しました。そのサロンに集まるのは、美容専門学校でスターだった人ばかり。今も忘れないのは美容師1年目のこと。僕は東京出身なので、休みの前日によく地元に帰っていたんです。僕が地元に帰る休み前日の営業後、店長に声をかけられたんです。「横藤田は、今日も地元に帰るの?」って。快く送り出してくれるのかなと思って、「はい、帰ります」って元気に答えたんです。すると、「もう帰らないで」と。えっ…と思いましたね。

 

「横藤田は地元じゃスターだったでしょ? 専門学校でもスターだったと思う。でも、そこにいて成長できるの? モデルハントしても、服を買いに行っても、映画を見てもいいけど、地元には帰らないで」

 

 

この人はなんて厳しいことを言うんだろうって思いました。けど、その意味がじわじわと、5年目くらいのときにようやくわかるようになるんですけれど…。ちやほやされる環境にいたら、自分が成長できないってことですよね。今その言葉を振り返ると、本物の美容師という感じの、粋な指導だったと思います。

 

>美容師3年目、メインアシスタントなのに仕事を断られる

 

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