クリエイターが集い、新しい価値を生み出す場所を作りたい ‐Dayt./悠馬さん‐
人気サロンで活躍し、美容業界誌では作品だけではなくご自身も「唯一無二の存在感」を放っていた悠馬さん。異端児とも言われていた悠馬さんの修行時代のお話から、独立に至るまでの経緯を伺いました。日本での充実した美容師生活を捨てて、突如姿を消した悠馬さんの独立前のエピソードは必見です。
とりあえず上京しただけで、美容師になるつもりはなかった
16歳の時、高校を20日で辞めて、宮崎から上京しました。実は最初、美容師になるつもりはなかったんです。生活費を稼ぐために、たまたま募集していたサロンに入ったことが美容師になったきっかけ。
そのサロンは、今銀座にあるEGOの前身で、当時は足立区の北千住にありました。そこで働くスタッフはみんなすごく尖っていて、師匠も仕事に対して厳しい人でしたね。
師匠の「借金してでもいいから、一流のサービスを受けなさい。その投資はいつか自分に返ってくる」という言葉は、今も記憶に残っています。
働きはじめて1年くらいのころ、カリスマ美容師ブームが来ました。「原宿や青山、表参道の美容師はすごいんだ」と輝いて見えたことを覚えています。ある時、有名店出身の美容師が集まってつくったサロンが渋谷にあると知ったんです。そこに行けば、いろいろなサロンの技術が学べると思って、まずは自分の髪を切りに行きました。
そこで、当時僕が一番憧れていた美容師の一人が新しいサロを出すと聞いたんです。ご縁があり、そのサロンに入ることに。サロンのオープニングから入って、一番学びたい技術を学ぶチャンスを得たことは本当に幸運でしたね。
それから技術を習得するために練習に没頭しました。センスを磨くために、1日、1本、映画を見ることを4年間続けたことも今の自分をつくっています。