美容師5人が共同開発!ハンドクリーム「なめこさん」の“本気”具合を教えて!
2018年に発売された「なめこさん」というハンドクリームをご存知ですか? このユニークな名前からは想像できないほどの高品質なプロダクトを開発したのは、中央線沿線&付近にそれぞれサロンを構えるオーナー美容師5人。サロンの雰囲気も全然違う彼らが、なぜ共同でハンドクリームを作ったのでしょうか。今回は5人全員にそのきっかけや、開発秘話をお話しいただきました。オリジナルプロダクトを作りたいと考えている美容師さんはもちろん、手荒れに悩む美容師さんも必見です!
※名前
写真左から:「ALBA」山崎敦史さん、「阿佐ヶ谷3349」柴田修平さん、「Snowdrop」柴田裕輔さん、「Tento-」山口晃さん、「sola」磯貝勇治さん
医療の技術を美容に。「なめこさん」の開発をはじめた経緯って?
――なめこさんを作った経緯を教えてください。
柴田裕輔さん(以下、裕輔さん):きっかけは2年ほど前に、僕が知人の紹介で医療系メーカーの社長さんと出会ったことでした。その会社は、医療分野の特許を持っていて、それを美容業界にも活かしたいと考えていたそうなんです。僕も以前から医療分野の技術を美容に活かすことに興味があったので、お酒の席で「美容業界にない新しいものを作りましょう」という話で盛り上がりました。その社長は、再生医療を研究されている京都大学の教授と組んで仕事をされているような方。もちろん、実利的なメリットも手を組んだ理由の一つですが、純粋にその方としゃべっていて楽しかったんです。「この人と一緒に仕事したい」という感覚が一番の決め手でした。
このプロジェクトを始めるにあたり、「sola」の磯貝、「ALBA」の山崎、「Tento-」の山口、「阿佐ヶ谷3349」の修平に声をかけたのは、気心の知れたメンバーだったから。この4人なら話に乗ってくれそうだなと思ったし、修平以外は、元々同じ会社に勤めていたんです。僕らは店のカラーも嗜好もバラバラですが、だからこそ、この5人なら面白いものができるだろうと考えました。
―――般的に美容師が作る商材は、シャンンプーやトリートメント、スタイリング剤など、髪に関連した商品が多いように思います。なぜハンドクリームにしたのでしょうか?
山口晃さん(以下、山口さん):さきほど柴田も話した通り、僕ら5人のサロンはテイストが全然違うんですね。客層も異なるので、例えばトリートメントにしてしまうと売れる店とそうじゃない店の偏りが出てしまいそうだなと。しかもヘア商材は他のサロンでも既にあって差別化が難しい。そこで「何を作ろうか」となったときに、僕ら5人でできる共通項を考えたらハンドクリームじゃないかと。僕自身も長年ひどい手荒れに悩んでいて、コレ!という商品がないのもポイントでした。現状の市販品は手荒れがひどいときだと滲みて痛いし、医療品だとベタついて、作業に支障が出ることもありました。そこでメーカー側に僕らが考える理想のハンドクリームの条件を提示して、半年くらいかけて試作品を作ってもらいました。