ABBEY松永さんのアシスタント・木下新は1年間の負のループから抜け出せた努力の人−トップランナーの「神の右腕」Vol.3−
ヘアサロンにとってなくてはならない存在といえば、アシスタント。
スタッフがお客さまにじっくりと向き合えるのも、アシスタントのおかげと言っても過言ではありません。
中でも、人気スタイリストの「右腕」とも言えるほどのアシスタントは、誰よりも気が利き、誰よりも動き、そして最高のアシストが必要です。QJナビDAILYでは、そんな「右腕」にフォーカス。
第3回目はABBEY代表の松永 英樹さんのメインアシスタントを務める、木下新(きのしたあらた)さんに取材。
「めちゃくちゃ緊張してます!」と、用意していたのは師匠譲りのメモ書き。
これまで大きなつまづきもなく第一志望だったABBEYに入社。虎視眈々と最速デビューを目指していたところ、1年間のスランプが待ち構えていました。
スランプを乗り越え、「もう焦っていません」という言葉に込められた気持ちの変化とは。
これまでスランプゼロ。順風満帆かと思いきや…。
―美容師を目指したきっかけを教えてください。
5歳上の姉がいるのですが、表参道の有名サロンで勤務していて。高校二年生のときに、はじめて遊びにいって働いている様子をみて、「東京の美容師、すっごいかっこいい!」って思ったんです。
もともと電車が好きで、JRに就職したいと言っていたのに、急に方向転換をしました(笑)。
―反対はされなかったんですか?
専門学校に進路を決める人が学年で1人くらいしかいない進学校に通っていて、母親には、気の迷いじゃないか、大学に進学した方が……と心配されましたが、理解のある父親のおかげで美容師の道に進むことになりました。
―松永さんを知ったきっかけは?
知ったきっかけは専門学校に入学した上京後すぐ、SNSで知りました。
ファッションが好きなので、ブランドで検索していると、松永にすぐたどり着いて。最初は「こんな美容師さんもいるんだな」という認識でしたね。
―ではもともとABBEYに興味があるからではなかったんですね。
ABBEYに就職したいと思ったのは、専門学校の就職セミナーに松永が来たことがきっかけです。
話している内容がなんかいいなぁ、と学生ながらに思ってすぐにお店に電話をして、
「明日でも明後日でも松永さんが空いてる時間ありますか?」とカットの予約を入れました。
―即行動!
たまたま運よくセミナーの2日後に予約が取れました。施術中は「カット早いな…」という印象しか覚えていないんですが(笑)、帰り際に握手をしてくれたんです。
そのとき就職のためにサロン巡りをしていたので、いろんな人に切ってもらっていましたが、握手を求められたのははじめてでした。
「代表なのに、こんなことしてくれるなんて」と驚いたのと、温かみを感じて、その瞬間にABBEYに入社したいと決めました。