SYAN野々口祐子さんの“一番古い“お客さまー仕事人間同士だからこそわかり合える感覚
第一線で活躍し続ける美容師さんに古くからのお客さまをご紹介いただく、シリーズ「一番古いお客さま」。SYAN野々口祐子(ののぐちゆうこ)さんがご紹介してくださるのは、ファッションブランドでディレクターを務めるお客さま。
お互いに「仕事人間だ」と言うお二人。仕事を常にハイクオリティでやりたい者同士だからこそ通じ合えるヘアへの価値観について語っていただきました。
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山下智代さん
お客さま歴:11年
年齢:30代
職業:「W♡C」ディレクター
人気ショップ「WEGO」の販売員時代、
野々口さんに声をかけられ初来店。
以降、月1〜2回のペースで通う。
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仕事のために前髪も常にベストであるべき。お互いに価値観を共有できる存在
野々口:最初の出会いは、原宿でのハントでした。シアタープロダクツを着ていて、趣味が合いそうだなと思ったんです。
山下さん:10年ぐらい前ですよね。まだWEGOのアルバイトだったとき、休憩中に声をかけられて。そのころは違うサロンに通っていたのですが、ちょっと行ってみようかなって思ったんです。
野々口:よく覚えているのが、前髪を失敗されてしまって「直してください!」って駆け込んできたとき。あれ以来、前髪カットは月2回のペースできてくれるようになったよね。
山下さん:私は前髪にこだわりがあって、微妙な長さになるとテンションが下がっちゃうんですよ…。他のサロンで失敗された前髪を完璧に直してくれたので一気に信頼度がアップしました。
野々口:以来、仕事の合間に30分でサクッと前髪や眉カラーをしにきたりしてね。ヘアスタイルは10年間ほとんど変えていなかったんですが、この春ついにパーマをかけられました。
山下さん:人生初パーマなので、慎重に慎重を重ねて…。2回ぐらいアイロンで巻いてシュミレーションしてもらってから、やっと本番に踏み切りました(笑)。
野々口:山下さんが「こうしたい」って言って見せてくれた写真は、髪の長さも今とは全然違って。でもそこから山下さんがどうなりたいのか、人物像を割り出して、彼女だったらこうしたほうがかわいいと思うスタイルを提案しました。
山下さん:そうだったんだ。野々口さんは、私の悩みや希望をすぐに汲み取ってくれるんです。その前に通っていたサロンではお任せというか、どちらかというとスタイリストさんが提案したものを受け入れる感じでした。
野々口:山下さんはファッションや好みが確立しているので、完成図がイメージしやすいんですよね。あと私に似て男っぽいところがあるんです。仕事を常にハイクオリティでやりたいから、髪型が邪魔になっちゃいけない。なので、前髪一つとっても常にベストを探っています。
山下さん:確かに言われてみればそうかも! 今回のパーマは、おかげさまで周りからの評判もいいです。それで褒められるとすぐに「絶対いいから行ったほうがいいよ!」って野々口さんについて熱く語りはじめちゃう(笑)。
野々口:今までも、かなりたくさんのお客さまを紹介していただいています。山下さんの友だちはおもしろい方が多くて、施術中もいろいろ新しいものを教えてくださるので楽しいです。
山下さん:この前行った岐阜県の養老天命反転地の話とかね(笑)。お互い美術館も好きなので、最近はおもしろい展示会やイベントがあったら誘ったりもするようになりました。
野々口:10年前からあんまり性格や気質は変わらないけど、仕事ではお互いステップアップし、プライベートでのお付き合いも増えてきました。美容師の中にはお客さまとの間に一定の距離を置く人もいると思いますが、私の場合は趣味嗜好が合えば、プライベートでもお付き合いしていきたい。これからの10年も楽しみです。
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