子ども向けのイベントがスタッフ教育にもなる。「子どもとビヨウ」が秘める無限の可能性とは? ―potamu櫻井亮さん
新宿から2駅という立地ながら、落ち着いた住宅街が広がる東中野。そんな街に溶け込むヘアサロン「potamu(ポタム)」で行われているのが、子どもたちが本格的に美容師の仕事を体験できるイベント「子どもとビヨウ」です。
遠くからも参加希望の親子が訪れるだけでなく、同様のイベントを仕掛けたい同業者からも注目を集めています。そこで今回は、このイベントを統括しているオーナーの櫻井 亮(さくらい まこと)さんのもとへ。この取り組みをはじめたきっかけや成果、これからの展望を伺いました。
住宅街にサロンを開いたことで、子どもとの関わりが増えた
「potamu」は2014年に友人の美容師を雇用して、2人でスタートしました。東中野を選んだのは、80軒ぐらい内見して、立地や広さを含めてここが理想的だったからです。窓も大きく気持ちのよい空間で気に入っていますし、店名の由来でもあるカバが至るところでゆるい雰囲気づくりに貢献してくれています。最近ではお客さまがカバの置物などをプレゼントしてくれたりして、気がついたら170頭にまで増えちゃいました(笑)。
サロンコンセプトは「髪がきれいになる美容室」。30代以上の女性をメインターゲットに、ヘアスタイルだけでなく、髪や頭皮が健やかに美しくなるお手伝いをしています。そうしているうちに、自然とお子さま連れでいらっしゃる方が増えてきました。元から子ども好きなこともあり、お子さま連れは大歓迎。お母さまの施術中は、プレイマットを敷いて簡易的なキッズゾーンを作り、DVDを流すなど、子どもたちが退屈しないよう工夫したり、キッズカットでは子どもが怖がらないようにいろんなテクニックを使っています。
子どもって「美容院」と「病院」を聞き間違えて、怯えたりすることがよくあるんです。なので、お母さまには「チョキチョキしに行こうね」などと促すようにアドバイスさせていただくのですが、最近ではうちにくるときは「カバさんのところに行こう」って連れてこられる方もいます(笑)。