美容師さんはMamaguitar Ayakoのプロデューサーのような存在 そのハサミには、人生を変える力が宿っている
東京・学芸大学駅と大泉学園駅にあるセレクトショップMamaguitarには、文化人や芸能人をはじめ、魅力的な女性たちが集います。お目当ては、店主のAyakoさんがセレクトした洋服や雑貨、そして楽しいおしゃべりです。今回は、社会人としてのキャリアのスタートが、実は美容師だった彼女に、「美容師」という職業への想いや、担当美容師さんとの素敵な関係性についてお話しいただきました。
美容師以外の職業に就くことが想像もできなかった
小さいころから美容師以外の職業に就くことを考えたことがありませんでした。美容専門学校に進み、美容師の道へ。有名な美容室に就職しました。ですから、社会人としての私の原点は、美容師時代にあります。
たとえば、アシスタントをしていたとき、先輩のお昼ご飯を買うというだけでも、学べることがたくさんありました。ただ単に先輩の指示を仰ぐだけではなく、食の好みはもちろん、その日の体調や忙しさ、買ってきたものを先輩が食べやすいようにどこに置くかなど、さまざまなことを考慮していたんです。
どうしたら相手に喜んでもらえるのかを考えるのがサービスの基本。お客さまや先輩を喜ばせることをいつも考えていました。ところが、美容師になって1年半ほどしたころ、若かった私は、なにより大切なはずの仕事を投げ出してしまったのです。美容師以外の仕事で働く自分を想像することすらできなかったので、言い表せない挫折感がありました。本当に心の中が空っぽになってしまいましたね。
その後、フレンチレストランで働くことに。とにかく、職業として決めたものを続けようという意気込みはあったのですが、その一方で、正直どんな仕事についても同じと思っていたんです。でも、加賀田京子シェフとの出会いで、 人として、社会人として大きく成長させていただきました。今でも支えてくださる、心から尊敬する恩師です。そして、フレンチレストランで働いているときに夫と出会い、それが洋服と雑貨を取り扱うMamaguitarに私が立つきっかけになりました。もともとは、夫が母親のためにつくったお店だったんですよ。