びよう道 vol.5  BEAUTRIUM川畑タケルさん 〜脳は難しいことが好物。難しいカットを何度も何度も繰り返すと、DNAに落ちていく〜

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代ですが、美容人生のどこかでは“心も体も美容でいっぱい”という時期があってもよいかもしれません。

 

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

 

第5回目は、目前に七里ヶ浜の絶景が広がるBEAUTRIUM SHICHIRIGAHAMAで、Art Directorをつとめる川畑タケルさん。独自のカット技術やアーティスティックな作品がどのように生まれたのか教えていただきました。「唯一無二の美容師」になりたい美容師さん必読です。

 


 

七里ヶ浜にきて、「これが俺の生き方」と思えるようになった

 

 

昔はファッション誌で髪型が紹介されることがあっても、証明写真とかプリクラみたいな小さい写真だけだったんです。でも、それではちっとも面白くないと僕は思っていた。せっかくやるなら、映画のワンシーンみたいなクオリティのものをつくりたいから、ファッションやロケーションまでこだわったページをつくったんですよ。そうしたら、ヘアページが半ページになり、1ページになり、中綴じになりという具合に、特集してもらえるようになったんだよね。ヘアページを入れると雑誌が売れるってことで、どんどん撮影の仕事が増えていきました。

 

すごく忙しいんだけれど、表参道で仕事をしていたころは、どこか不安がありましたね。「この先、俺どうすんだろう。ずっと髪を切ってなきゃいけないのかな」みたいな。それが七里ヶ浜にきてから変わったんだよね。髪を切って、海に入って、「これが俺の生き方なのかな」っていうのがわかってきた。

 

 

だから、自分が人として一人前になったと感じられるようになったのは、七里ヶ浜にきてからなんですよ。わざわざ僕のもとまできてくれるお客さんもいますからね。僕に会いに来てくれる美容師さんも結構多いし、うれしいですよね。だからこのまま僕は、お客さんの髪を切り続けなくちゃいけない。動けなくなるまでね。もうそのことに迷いはないです。

 

 

>僕のカットは誰かに習ったものじゃない

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