「夢は実現してしまえばただの現実」ニューヨーク出店からさらに始まる夢NOBU’S KITCHEN」Vol.8ゲストGARDEN 代表取締役 須崎勝己さん【後編】
須崎さんが率いていらっしゃったのは、ジェネラルプロデューサーで取締役副社長でもある河野悌己(こうの よしき)さん、そしてこの日ニューヨークから帰国したばかりの喜多翔吾(きた しょうご)さんも緊急参加! 須崎さんが「圧倒的な技術をもつ」と太鼓判を押すお二人にもじっくり話を伺いました。
後編では、会社づくりで心がけていることや、これからの美容業界について熱く語っていただきました。
※本文中の敬称は省略しています。
部活の監督感覚がいつの間にか経営者に!?
NOBU:GARDENさんといえば、雑誌にもバンバン出ているような美容師をたくさん排出しているサロンですよね。僕は、東京と大阪を行き来している美容師だったので、関西代表としては出られても、全国を象徴する美容師としては出られなかった。それが本当に羨ましくて、なんとかして追いつきたい、勝ちたいって思っていたんですよ。
誰が勝ち負けを決めるのかというと、僕自身が勝手に決めるだけなんですけど(笑)。もう反骨心の塊で。でも、この企画でいろいろな美容師さんにお会いして、それぞれのかたのいろんな思いに触れるのが本当に楽しいんです。
――NOBUさんから須崎さんに、「会社作りで心がけていることはなんですか」という真面目な質問がありまして。
須崎:「長い目でものを見る」ということが一つですかね。やっぱり今やらなきゃいけないこと、今起こった問題を解決することに追われがちじゃないですか。でも、そもそも自分たちはなぜこの会社を作ったのかっていう原点。
例えば、世の中にないものを見出すとか、お客さんのためにこうありたいと思う心とか、さっきNOBUくんが言っていたような反骨心みたいなもの、より美容業界をよくしたいとかスタッフを幸せにしたいとか。そこの原点を忘れずに長期的に考えていこうとすると、トップが自分のアイデンティティやフィロソフィーみたいなものを絶対に曲げないことは大切ですよね。芯をぶらさない。それを全うしようとするのなら、長期的なビジョンをもたないとだめなのかなって…昔から思っていますけど、つくづく再認識させられます。
NOBU:僕は美容師なので、美容師がオーナーだったサロンで働いていたときはぶつかっていたところもあったんですけど、今の社長である槙野は、「こういう考え方の人がいるんだな」って新鮮に感じる場面が多々あります。
例えば「社員旅行行きましょう」と提案したら、「行く必要あるの?」って社長の槙野は、言うんですよ。「あるでしょう!」って言って一緒に行ったらめっちゃ楽しそうにしてる(笑)。どうやら、IT出身の人って、そういう経験はあまりないみたいです。
あと、気にしいというか、カワイイ一面もあるんですよ。あるスタッフに槙野が「SNSの“いいね”がつかない投稿は消した方がいいよ」と言ったことがあって。そのスタッフも社長に言われたから全部消したんですが、それを知った槙野は「本当に消しちゃってるみたいだけど大丈夫…?」とか言って、ものすごい戸惑うんです。美容師からしたら心機一転、リセットしてスタートだっていう前向きな気持ちなんですけど、そういう体育会系のノリがピンとこないみたいで。
僕は、そこで美容師としての気持ちを伝える役目があると思っているのですが、一方で、美容の勉強もある程度してくださいねということも伝えています。
須崎:そういうのを聞くと、自分は10年以上会社をやってるけど、経営者には向いてないなとつくづく思いますね。僕はどっちかと言うと部活の監督みたいな感じ。単に、「甲子園で優勝しようぜ」って勢いではじめて、頑張ってやっている奴もいれば、頑張っても芽が出ない奴もいるし、頑張ってはいるけど、調子に乗ってる奴もいる…(笑)。そんな感じでやってきました。