丸顔をさらに丸く見せる!? DaB八木岡聡氏が考える“似合わせ”の極意とは
「“似合わせ”って何ですか?」
この問いに自信を持って答えられる人は何人いるでしょうか。
一般的な似合わせのルールとして考えられているのは、「丸顔の人には、トップのボリュームを出し輪郭をカバーする」「エラ張りの人には、あごの形をカバーするためにサイドや襟足を伸ばす」「面長の人には、トップに高さを出さず、横にボリュームを持たせる」など…
顔の形に対する理論として「似合わせ」を教わったことはあると思いますが、全ての人にそれが当てはまるのか? というと、そうではないはずです。
そこで今回、“似合わせ”とは何かを突き詰めるため、ある美容師にインタビューをしてきました。その美容師とは、美容師歴39年超えのプレイヤーでもある、人気サロン「DaB」の代表の八木岡聡(やぎおかさとし)さん。常に3ヶ月先まで予約が埋まっているという美容界のスペシャリストが考える“似合わせ”について単刀直入にお伺いしました。
八木岡さんが考える“似合わせ”の極意とは何なのでしょうか?
第一に美容師は「デザイナー」であるということ
-八木岡さんにとって“似合わせ”とは、どのようなものだとお考えでしょうか?
「まず、美容師は技術者としてだけでなく大前提として『ヘアデザイナー』であるということ。そこからさらに大きい枠で捉え『デザイナー』であるということ。この意識が一番大事です。センスや才能、素質にそれぞれ個人差はありますが、デザイナーであるという感覚を常に意識していることで、ヘアを作る想像力や思考回路が育ちます。
それを踏まえた上で、僕の考える“似合わせ”を話しますね。
私は美容師をしているなかで、『デザイン』と『似合わせ』の考え方が全く違うと思ったことは一度もなく、『デザイン』の中に『似合わせ』があるという考え方をしています。そもそも『似合わせ』はテクニックとして覚える事ではない、ということです」
—“似合わせ”を単体で考えることがないということでしょうか?
「そうですね。どんなヘアを提供するにしても、お客さまに似合うという前提でヘアデザインを提供しなければ、価値を見出してもらえないわけです。その中で『どう似合わせるのか?』というポイントが、デザイナーとして問われるところですよね。
なので『技術はある。しかし、似合わせることが得意ではない』という人が、もしいたとすれば、その人は美容の技術のみを覚えているだけ。デザインをわかっていないので似合わせることができない、ということになります」