人気サロンの採用担当者が語る採用のポイント「NORA」編
就職を目指す美容学生や転職者に向けて、人気サロンの採用担当者が採用のポイントを語るシリーズ。自分が興味のあることをやり切る大切さについて語られた「OCEAN TOKYO」編に続き、今回は「NORA」の採用を担当する、片山由香理(かたやま ゆかり)さんに直撃します。
未来のビジョンや自己プロデュース力、協調性の有無を重視
-新卒者に対しては、選考時にどのようなポイントを重視していますか?
・サロンワークをベースに幅広い分野で活躍できそうな人かどうか
目の前のお客さまを一番大切にしながら、サロンワークやヘアショー、ヘアメイク、雑誌の撮影、セミナーなどの幅広い活動をしていけるか。その判断材料として、「5年後にどんな自分になっていたいか」という未来のビジョンについて、こちらの質問を交えながら具体的に説明してもらいます。
・自己プロデュースや継続的な自己発信ができる人かどうか
まず、その人にとってのファッションアイコンや何をお手本に物を選んでいるかなど好きなものについて尋ね、好きだと答えたものと本人に一貫性があるかどうかを見ます。例えば、本人がナチュラルメイクなのに派手な女性像に憧れていたりするとちょっとズレを感じますよね。
自己発信については好きなものを自分で発信してもいいですし、「世の中的に需要があるから」というビジネス発信でも構わないのですが、それを継続的にプロデュースする力があるか。昔だとタレントを担当したから、テレビに出たからカリスマ美容師になったというのが一般的でしたが、今はSNSや動画アプリで誰でも10秒でスターになれる可能性がある時代。誰もがヒットするチャンスがあるなかで、いかに自分でプロデュースできるかが大事だと思います。
・チームワークを大切にする協調性のある人かどうか
30分の集団面接では5人ほどの学生を一度に見るので、1人あたり6分くらいの持ち時間になりますが、その時間の使い方に協調性の有無が表れます。例えば、自己PRに2分ほど使うと残りは4分あるわけですが、そこで質問された内容に明確に答えられるのか、だらだらと話し続けてほかの人の時間を奪ってしまうのか。あれもこれもと違う話に飛んでしまう子は、ほかの人のことを考えられていないのかなと思ってしまいます。
サロンワークは個人プレーではありません。スタッフと協力しながらお客さまを施術させていただき、満足度を上げます。一人ではできないことも二人ならできることがあります。1+1=2ではなく10にも100にも成り得るのです。
-中途の応募者に対しては、選考時にどのようなポイントを重視していますか?
・最初に勤めたサロンの入社理由と退社理由
最初に入ったサロンの入社理由と退社理由について聞きます。特に「なぜ受けたのか」「どこに惹かれたのか」といった入社理由を聞くのは、誰しもが本気になる学生時代の就職活動で、その人がどう本気で向き合ってきたかがわかるからです。
その答えとして最初から熱い想いを持っていた子なら一緒に仕事ができるかもしれないと思いますが、「なんとなく先生に勧められたから」「家の近所だったから」など誰かの後押しや自分以外の意志で入ってしまった人の場合、本人の覚悟が足りていないだろうなと感じます。
目指すものを実現するために試行錯誤する姿は好印象
-採用担当者として思わず好印象を抱くポイントについて教えてください。
・やわらかい表情や自然な笑顔が出せる人
表情が柔らかい人や、緊張していても嘘っぽくない笑顔が出せる人は好印象です。確かに面接は緊張で顔が強張るかもしれませんが、お客さまに対応する最初の瞬間も同様に緊張すると思うんです。強張った表情で接客されてしまうとお客さまも不安になってしまうので、いい意味で物怖せず自然な笑顔で対応できる人がいいなと思います。
・発言に一貫性がある人
発言に一貫性がある子だと、「しっかり考えていて頭がいいな」と思う瞬間があります。あとはその発言に伴う行動に努力しているところが見えるとさらにいいですね。美容業界のことをほぼ知らない状態ながらも、自分が目指すものを実現するために、わからないなりにも、手当たり次第で試行錯誤している姿は好印象に映ります。
-採用された方に共通している点はありますか?
・向上心が高い
向上心が高く、やりたいことや好きなものがはっきりしている子が多いですね。みんな根底には「売れたい」という想いがあるのですが、その想いが強いので努力ができる。自分が何のために今アシスタントと言う立場にいるのかをわかっている子が多いと思います。
・コミュニケーション能力が高い
みんなコミュニケーション能力が高いので先輩・後輩やキャリア関係なく、意見を言い合える関係性が築けていると思います。日ごろから仲がよくて、スタッフ同士でご飯に行ったり、休みの日も遊びに行ったりしていますね。
>採用審査の段階で「これはちょっと…」とマイナスな印象を抱いてしまうポイントとは?