被災地支援団体「Beauty Force」美容の持つ力とは

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東日本大震災直後に「美容師として何か力になれることはないか」と東京の美容師たちが発起人となり、全国の美容師、美容メーカーに呼びかけをして立ち上げた美容業界支援団体Beauty Force。その活動について代表の尾崎隆司さんに伺いました。


 

-最初の支援はどのように行なっていましたか?

 

「現地のNPO法人やNGO、地方自治体と連携しながら、避難所に行き被災者のカットやカラーをしていました。美容室に行きたくても復興作業に追われていたり、美容室自体が倒壊していた状況の中、ボランティアカットにはとても感謝をしていただきました」

 

-その後美容師さんへの支援に切り替えたきかっけは何ですか?

 

「震災から3ヵ月ほど経過し、被災地の美容師さんが営業を再開し始めました。その際に現地の美容師さんたちの営業を妨げないよう支援していくため、ボランティアカットは終了することにしました」

 

-具体的にどういった支援をされていますか?

 

「被災地の美容室に支援物資を届けてきましたが、時間の経過と共に道具のニーズも変化するため、その都度必要な物を聞きながらお届けしています。実際に被災された美容師さんからは『何もかも流され、どうしたらいいかわからない状況でした。そんな状況の中届いた一本のはさみ。そのはさみでカットして被災者の方に喜んでもらえた時に、もう一度イチからやり直そうという思いになれました』という喜びの声をいただいています。現在ではBeauty Forceのメンバーや賛同してくれる美容師が無償でセミナーやイベントを行なっており、少しでも現地を盛り上げて復興の後押しをしていこうと思っています」

 

活動風景3

 

-震災から3年経った今、今後の活動において重要なことは?

 

「物資に関して言えば、ある程度充足しています。しかし、被災地の美容業界としては今が一番大変な時期なのです。と言いますのも、すでに再建した美容室もありますが、多くの美容室は未だに再建の場所も見つからないような状況。そのうえ多くの人は二重、三重のローンが重く圧し掛かり、復興に向けた強い気持ちがあった人たちも、徐々に心がすり減り、折れそうになっています。現在は被災から復興へ、支援から応援へ移行してきていますが、金銭面での応援には限界があります。今後は美容師さんのこころの応援、復興へのモチベーションをあげる応援ができればと思います。復興までには長い時間が必要になります。だからこそ、今だけではない継続的な支援をしていきたいです。そして“美容師にしかできない、美容師だからできること”を念頭に活動を行っていきたいと考えています」

 

活動風景2

 

プロフィール
Beauty Force代表/尾崎 隆司(おざき たかし)
INSOLITE BEAUTE代表
昭和38年2月14日生まれ/兵庫県出身/山野美容学校卒業

都内1店舗を経て1997年東京広尾に「INSOLITE」をオープン。2002年には同店を、アジアンリゾートをイメージしたトータルビューティーサロン「INSOLITE BEAUTE」にリニューアルオープン。2006年に「g INSOLITE」をオープンした。
再現性の高いカットやパーマ技術のみならず、そのライフスタイルが大人世代に絶大な支持を受けている。

(文/木村 衣里

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