25年間365日24時間、ヘアのことばかり考えてきた -ANNE. 澤野秀樹さんの習慣 後編-

 

デザイン性の高いヘアを生み出してきた表参道の人気店「DaB」のクリエイティブディレクターを長年勤めたのち、2018年11月に独立し「ANNE.」を立ち上げた澤野秀樹(さわのひでき)さん。有名美容師も一目置く、テクニックやデザインセンスはどのような習慣からつくられているのでしょうか。インタビューは前編・後編の2回、今回は後編です。ぜひ前編とあわせてご覧ください!

 


 

「バカじゃないの?」と言われてもドライヤーとブラシを持って寝た

 

美容師になってから25年間、365日24時間、ヘアのことばかり考えて生きてきました。生きている時間すべてを美容に向けてきたことも、僕の習慣と言えるのかなと思います。アシスタント時代、たとえばドライの練習をしているときはドライヤーとブラシを持ったまま寝ていました。カットの練習をしているときにはハサミを持っていました。

 

練習しながら寝てしまっていたわけじゃないんです。夢の中でも練習したいから道具を持ったまま寝ていたんです。もしかしたら、ハサミを持っていたら夢の中でも切れるんじゃないかと考えて、眠りにつく瞬間までカットならカットの強いイメージを持つようにしていました。彼女からは「バカじゃないの?」と言われましたけれど(笑)。そういう生活を送っていたのは、やっぱり上手い美容師になりたかったからです。

 

 

たとえば、カットが上手くなりたいと思ったら、必ずそこに至るまでのプロセスがあります。たまに「上手くなるために意識を変えます」とか言う人もいるけれど、意識を変えるだけで上手くなるなら、みんな上手くなっています。当たり前の話ではあるけれど、なりたい自分になるためには、そこに至るまでのプロセスが不可欠です。

 

仮に、1週間でウィッグ1000体切ると決めるとするじゃないですか。その結果わかるのは、ウィッグを切っているだけじゃ上手くならないということかもしれない。それでも、上手くなるためにウィッグで練習するだけではダメなんだということがわかれば、「じゃあ、もっとモデルさんを集めよう」という発想につながるわけです。ただ意識しているだけじゃこうはならないですから。

 

>よそのサロンの明かりがついていると「負けてられない」と思った

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