Violet前原穂高先生に聞く! 【1限目】新米美容師に伝えたい5つの心得
AFLOATの元幹部、デザイニングディレクターを経て独立し、2015年春に東京表参道に「Violet」をopenした前原穂高さん。
24歳から開始したセミナー講師活動は通算500本を超え、昨年12月には個人月間最高売上1500万を記録するなど、トップスタイリスト&オーナーとして多方面に活躍しています。
Violetには「穂高ノート」と呼ばれる後輩育成マニュアルがあります。これは前原さんが自分のために書き溜めていたものです。そこで今回は、QJナビDAILYの読者のために、前原さんが先生役となり、「穂高ノート」の一部を公開してくれました。
4月から美容師デビューする社会人1年目に向けて、学校では詳しく教えてもらえない「美容師の心得」をレクチャーします! それではさっそくイントロダクションからスタート!
イントロダクション
学生と社会人の違いって?
社会人になるまでは、基本的にみんなレールの上に乗って進んできていると思います。日本には義務教育があるから、少なくとも9年間は全員が学校に通っていますよね。そこから高校、専門学校と進むわけですが、美容師を目指す人は美容専門学校を卒業するまで、同じようなレールの上にいたことになります。でもね、社会人になったら、レールは敷かれていないんですよ。
ここで、僕の社会人一年目のころの話を少しだけさせてください。前職のAFLOATに入ったころはちょうど美容師ブームで、同期もものすごく多かった。もちろん、僕は頑張りたいと思って頑張るんですけれど、どう動いていいのかわからず空回りしていたんですよね。
先輩やお客さまを喜ばせたいと思っていろいろやるんですけれど「余計なことしなくていいよ」とか「言葉が訛っててサロンの雰囲気に合わないから『いらっしゃいませ』って言わなくていいから」とか、言われていたんですよね。それでも一日中、自分のやれることを探して、できることを増やしていったんです。そうして1カ月がたったとき、全体ミーティングで新人全員が、1カ月を振り返って発表することになりました。そのときに僕はこう言ったんです。
「最初はこのサロンに僕の居場所はないと思っていました。けれど今は自分で居場所をつくっていくものなんだと気づきました」
当時の僕が、本当の意味で居場所をつくることができていたかどうかはわかりません。けれど、それを口に出してみんなに伝えたことで、意識が変わり、自分で仕事をつくっていくマインドを持つことができたのだと思います。学生と社会人の違いはここにあると思うんですよね。レールに乗っかるのではなく、自分でレールをつくるんです。
さて、ここからは「穂高ノート」を見ながら、「1年目にやるべき5つのこと」を紹介していきます。ではさっそく1限目をはじめましょう!