9万リツイート超え! ヘアカラーでアニメキャラを再現する2.5Dカラーとは? ―Wille志賀尚之さん

 

Wille代表の志賀尚之(しがなおゆき)さんは、アニメキャラクター(以下、アニメキャラ)の髪を再現し、かつ日常でも扱いやすい「2.5Dカラー」の発案者として話題の美容師さん。

 

小さなころからアニメが好きで、高校生のころは1クールで10作品は見ていたという、熱心なアニメファンである志賀さんですが、アニメと美容を結びつけて考えるようになったのは、お店をオープンしてからだったそう。

 

なぜアニメを美容室経営に取り入れたのか、そして世間で注目を集める2.5Dカラーへのこだわりについてお話していただきました。

 


 

はじまりは普通の美容室。「何かしなければ」という思いからアニメを取り入れはじめる

 

 

専門学校卒業後、大手の美容室で3年ほど働いていたのですが、ブランディングとしてアニメが好きなことは公にしていませんでした。だんだん自分の好きなことをもっと打ち出したいという気持ちが強くなってきて、2年ほどフリーランスの美容師をしつつ、師匠についてヘアメイクの仕事をしていました。

 

ヘアメイクとしていただく仕事にはアニメ業界のものが多くて。そうすると、声優さんやアニメのプロデューサーさん、制作の方たちが美容師のほうでお客さまとしてきてくれるようにもなったんです。そのとき「もしかしたら美容室とアニメを絡めて何かできるんじゃないか?」と思いましたが、当時は美容室にアニメを絡めてブランディングするという具体的な案にまでは至りませんでした。

 

アニメ映画の舞台挨拶や、声優さんのイベントのヘアメイクなど、自分が好きなことに携われる仕事はとても楽しかったです。でも、ふと物足りなさを感じました。実は、僕には「生きた証を残す」という人生のテーマがあるんです。僕が死んでも、後世に語り継がれるような人生を送りたいとずっと思ってきました。しかし、当時の僕は何も成し遂げられていなかった。「このままじゃダメだ!」と思い、お店を作ろうと考えたんです。

 

ただ、2015年の4月にWilleをオープンさせたときはまだ、自分のやりたいことについては漠然とした考えしかありませんでした。ヘアメイクの経験から「アニメを絡めて美容室で何かできないだろうか」と漠然と考えていただけ。だから、オープンして1ヵ月くらいは特にこれといった特徴もない、本当に普通の美容室だったんです。

 

アニメを打ち出そうと思ったきっかけは些細なことでした。オープンから1ヵ月経ち今後サロンをどう盛り上げていくかを考えたときに、まずはサロンのBGMから見直そうと思ったんです。それで、アニソンをかけてみたら、これが意外としっくりきて。アニメファンは世の中にたくさんいるのだから、その中でもコアなファン層を狙っていけば、ビジネスチャンスになるんじゃないか、と思いました。そこで、音楽だけじゃなく、マンガやアニメ情報誌を置いて、アニメファンも居心地のよい空間づくりをするようにしたんです。

 

 

アニメキャラの髪色を作り続けていけば、絶対にうまくいく。2.5Dカラー誕生の経緯とは?

 

 

アニメキャラをモチーフにしたヘアカラーを思いついたのは、Willeをさらにアニメファンが集まる美容室として特化させるために、何を作って発信していくか考えたとき。アニメのキャラって、いろんな髪色があり、髪色はそのキャラの大きな特徴の一つですよね。カラーならパッと見たときに華やかでわかりやすくキャラを表現できるんじゃないかと考えたんです。

 

はじめて作ったのは「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場する長門有希ちゃん。ちょうどアニメキャラのヘアカラーをやろうと考えていたとき、新規のお客さまから「長門有希ちゃんのような紫色の髪にしてほしい」と言われたんです。これは本当に偶然のタイミングで驚きました。施術後、そのお客さまは「大好きなキャラに近づいた」と本当に感動してくれて、今でも通ってくださっています。

 

とはいえ最初は、周囲から反響はなかったので、誰の目にも止まってなかったと思います。ただアニメキャラの髪色を作り続けていけば、絶対に美容室の新しいビジネスになるという確信がありました。

 

そこからはカラーの相談をされたときに、自分から積極的に「アニメのキャラクターでお客さまが希望している髪色に近いキャラがいるんですけど」と、そのアニメキャラのビジュアルを見せながら提案していました。

 

オーダーが増えたのは、オープンから半年ごろ。アニメファンが少しずつ集まりはじめ、有名なアニソン歌手の方や声優さんが来店しTwitterで投稿してくださったんです。それを見た方がお店にきてくださる、ということの積み重ねで、徐々にオーダーが増えていきました。

 

>たった一つの投稿が2.5Dカラーを広く周知させた

 

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