工事現場からヘアサロンへ! 異色美容師の波乱万丈な人生(前編)

 

『PREPPY』主催の新人ヘアバトルを勝ち抜き、リアルトレンド大賞で好成績を残すなど、数々の業界誌、ファッション誌で作品が評価されていれるSUNVALLEYの店長、忠本 功(ただもといさお)さん。

 

モデルさんや美容師からも支持される人気スタイリストです。そんな忠本さんですが、今に至るまでにかなりの遠回りや、地獄に叩き落されるような経験をしてきたのだとか。今回の「美容師ステップアップ」では、忠本さんの波乱万丈な美容師人生を前後編の2回に分けてお届けします。では前編からどうぞ!

 


 

中学卒業してすぐ建設会社に就職

 

中学生のころから僕は、早く大人の世界にいきたいと願っていました。夏休みを利用して、建設会社に頼みこんで働かせてもらったこともあります。中学生にしては大金のバイト代をもらえてうれしかったし、仕事をするのが楽しかったので、中学校卒業してすぐに就職しました。

 

それから20歳になる手前まで、主に下水管の工事を行う土木作業員をしていました。中学校を出たばかりでなんの社会常識も持っていませんでしたから、最初ころはこっぴどく叱られていました。目上の人に「チッ…」と舌打ちをして、次の日立ち上がれなくなるまでボコボコにされたこともあります。

 

 

それでも勤務態度はまじめで、遅刻したのはたった1回。しかも、事故渋滞に巻き込まれた影響で、5分遅れただけです。でも、現場に到着した僕は、その場でぶん殴られました。土木作業員時代は、今では考えられないくらい荒っぽい指導をたくさん頂戴しましたが、荒っぽい指導ですが、親方は時間や礼儀にすごく厳しくまっとうな指導をしてくださる方だったので、おかげさまで人間性を養うことができたと思います。社会の厳しさを学べたことはよかったと思います。僕という人間の原点は、土木の現場にあると言ってもいいのかもしれません。

 

愛着のある土木作業員の仕事をやめたきっかけは、親方の「お前は優しすぎて荒々しいこの世界に向いていない。戦う強さがない」という一言。ちょうど、僕の実家の美容室が、店舗を拡大した直後で、自分もいつかそこを継ぐことになるかもしれないと思っていたこともあり、土木の仕事を辞めて美容師を目指すことに。うちの親と親方は仲がよかったので、今思うと、僕の未来を考えての親方の計らいだったのかもしれないな、と思います。

 

>落ちこぼれからの逆転劇

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング