月40人の新規客を集めるインスタグラマー美容師が今日までやってきたこと -AWESOME 高橋 美穂さんU29次世代美容師-
次世代美容師として注目される「U29美容師」のサクセスストーリーから、成長のヒントを「美容師のタマゴ」へお届けする企画「U29次世代美容師」。
第32回目は、外国人モデルも登場するセンスフルな作品をInstagramから発信しているAWESOMEの高橋美穂さん。フォロワーは1万7000人以上、Instagram経由での新規客は月40人もいるのだとか。今回はそんな高橋さんに売れっ子になるまでの歩みを振り返ってもらいました。
99%が大学進学する高校で専門学校を選択…先生に「本当にいいのか?」と聞かれる
小さいころから髪の毛を触るのが好きでしたが、最初になりたいと思った職業は美容師ではありませんでした。気になっていた職業は、人の心を癒す心理カウンセラー。高校1年生くらいまで本気でなりたいと思っていて、大学に進学するつもりだったんです。
そんな私が「美容師っていいな」と思うようになったのは、地元にあるオシャレな美容室に通うようになったことがきっかけ。「髪型が変わることで、自分の気持ちがこんなに変わるなんて…」と思ったんです。服装や髪型の規則が厳しい高校に通っていたので、髪色を変えたりはできませんでしたが、それでも少しウルフっぽくしたり、アシンメトリーを取り入れてみたり、できる範囲で新しい髪型にしてもらえるのが面白かったし、私も同じようにお客さまの髪に携わりたいと思うようになりました。
ただし、高校は99%くらいの生徒が大学に行く進学校だったので、美容師になりたいと伝えると先生から「本当にいいのか?」と聞かれました。有名大学に進学した姉も、私と同じ高校に通っていたので、余計に意外だったのでしょう。幸い、両親は私の夢を応援してくれました。私も美容師の世界に飛び込むことに不安はなかったし、「後には引けない。美容師として成功してみんなを見返したい」と心に決めていました。
美容学生時代から作品を撮りためフォトブックを制作
高校卒業後は山野美容専門学校へ。不器用だったので、とにかくコツコツと練習していました。そのおかげで、成績は悪くなかったのですが、ワインディングがどうしても苦手で…。苦手を克服するために「千本巻き」をしたことも。とにかく量をこなすことで、キレイにできるようになりました。
学生時代から作品撮りもしていました。学校の中にスタジオがあって、プロカメラマンさんに撮ってもらえるという企画があり、私は天使をイメージしたガーリーな作品をつくったことを覚えています。友だちをモデルにして、携帯のカメラで作品撮りをしたりもしていましたね。
就職活動のときには、それまで撮りためていた作品をまとめてフォトブックをつくり、面接のときに持参しました。原宿のサロンで働きたいと思ってたくさん受けたのですがことごとく落ちてしまいまして…。面接で話すのが苦手で、うまく自分の思いを伝えることができなかったんです。
結局、都心から離れたところにある地元のサロンで働くことになったのですが、どうしても原宿で働きたいと思っていたので、時間をつくって原宿に行き、気になるサロンで髪を切ってもらうようにしていました。現場の雰囲気を知るためには、実際に行くのが一番いいと思っていたからです。そうして半年くらいしたころに、運よく中途採用しているサロンを見つけて、そこで働くことができるようになりました。
度重なる転職に遭っても「絶対に雑誌に載りたい」と願い続けた
念願の原宿で働きはじめてからも、自分が想像していたのと全く違う客層のサロンだったり、勤めていたサロンが倒産したりなど、紆余曲折がありました。今に至るまで店舗を何回か移りましたし、フリーランスとして働いていた時期もあります。
目まぐるしく環境が変わっていましたが、そんな中でもいつも思っていたのは、「絶対に雑誌に載りたい!」ということ。目標を叶えるために、アシスタントやジュニアスタイリストだったころから、コツコツと作品を撮っていました。
ただし、普段はサロンワークとレッスンに専念し、作品撮りは基本的に自分の休日のときにしていました。好きでやっていることなので休みを使うことは全く苦痛ではなく、むしろ楽しいことでしたけれど。
モデルハントが得意だったので、作品撮りをするうえでとても役立ちました。かわいい子が好きなので、今も声かけるのは苦ではありません。普通に挨拶して、他愛のない話をして警戒心を解いて、協力してもらう…という感じです。「今日は暑いですね」とか「どんなスタイルが好きですか?」とか、そういう話のなかから共通点を探って仲良くなっていくのがコツなんですよ。
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