サロン営業中に地震! あなたはどうする!? KENJE enoshima Kazucoさんに聞く美容室に必要な防災の備え

地震や異常気象など、いつ起こるかわからない自然災害。美容室でも備えが大事だという意識はあっても、なかなか具体的に準備できていないサロンも多いのではないでしょうか。

 

そんな中、海から徒歩7分の距離にある「KENJE enoshima」が、地震による津波に備えた防災訓練をはじめたと聞き、サロンリーダーを務めるKazucoさんを直撃。Kazucoさんは近隣の系列サロン「KENJE fujisawa」でも避難訓練を実施しているそう。

 

営業中に地震がおきた場合、お客さまをどう誘導するのか、やりかけの施術はどうしたらいいのか、サロンに日ごろ常備しておくべきものとは、スタッフの防災意識など、気になることを伺いました。

 


 

3.11をサロンで経験。防災訓練をはじめたきっかけとは

 

 

避難訓練をはじめたのは、熊本地震などが起き、日本中の防災意識が高まりはじめていたタイミングでした。あるとき一緒に働いているスタッフの中で3.11をサロン現場で経験していたのが、2人しかいないことに気づいたんです。

 

私は美容師になって11年目。あの当時はアシスタントとしてシャンプーの真っ最中でした。最初はシャンプーに必死で気づかなかったのですが、そのうち揺れが大きくなって「どうしよう!」と思ったときには、他のスタッフやお客さまは店外へ避難していて。「とりあえず流さなきゃ!」とシャンプーを流してから外へ出たら、先輩に叱られたんです。そのときは「失敗したな」と思いましたが、振り返ってみると有事のときにどう行動したらいいかを教えてもらっていなかったんですよね。

 

そんな経験を思い出し、今のサロンは海に近いし、どれくらいで津波が到達するのか心配になったんです。鎌倉市のホームページで調べてみたところ、わずか8分。そうなるとシャンプーやカラー剤を流している時間はないし、まずは高いところに逃げるしかありません。「これは実際に訓練してみる必要があるね」とスタッフと話し、2018年4月に第1回目の避難訓練を実施しました。

 

カット台だけでは身を隠せないと知った。避難訓練で気づいた問題点

 

 

当日は、数人のスタッフをお客さま役にして、時間を計りながら全員で近くのお寺まで避難しました。事前にマニュアルを作成し、実際に揺れているときはどう身を守るか、その後どのようにお客さまを誘導するかなどを決めておきました。

 

しかし、私を含め、大人になってから避難訓練をした経験のある人があまりいなかったので、どうやってやるのかも手探り状態。実際にやってみて思ったのは、わからないことや足りないことがたくさんある、ということでした。

 

例えば、地震発生時、施術中の場合はスタッフもお客さまもカット台の下にもぐることを想定していたんです。しかし実際にやってみたら、一人しか入れなかったので、お客さまを優先し、スタッフはカウンターの下に避難する必要があります。また、8分という短い時間で高齢のお客さまを誘導するためには、スロープを購入する必要があると感じました。これは、避難訓練をしなければ気づけなかったと思います。

 

 

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