子守りからパシリ要求まで!?―ムチャ振りエピソードを現役美容師に聞いてみた!


サロンには、日々さまざまなお客さまがやってきます。お客さまの満足度を高めるのが仕事とはいえ、困った注文や不可能なオーダーには応えられません。特に若手美容師にとって、対処の仕方がわからない無理難題は避けたいもの。

そこで今回は、若手美容師を応援すべく、現役美容師にアンケートを実施。先輩美容師に聞いた、お客さまからのとんでもない注文エピソードをご紹介します。見た目を拒絶されたり、車の見張りを言い渡されたり……。日々お客さまと向き合ってきた先輩美容師たちの姿は、あなたに勇気を与えてくれるかもしれません!

 



ルックス完全否定。「担当者を変更して!」(30歳/男性)

 

 

ヘッドスパをできるのが僕と女性スタッフの2名のみだったサロンで働いていたときのことでした。

その日は女性スタッフが休んでおり、ヘッドスパができるのはサロン内に僕だけでした。そのため、新規でいらした女性のお客さまのヘッドスパ担当は、当然僕。しかし「私はガッシリ系の男性は苦手だから違う人にしてほしい」と、怯えるように言われてしまったんです。確かに、僕はジャニーズ系ではありません。でも、ヘッドスパの技術には自信を持っていたので、見た目で判断されたことがショックでした。

そのお客さまはさらに「あなたが悪いわけではないけど、本当に無理。ごめんなさい」との一言。そう言われてしまっては、僕は何もできません。結局その方は、ヘッドスパをしないことに…。

その後スタッフのみんなが慰めてくれ、急遽その日の営業後に僕を励ます飲み会が開かれました。


1度では希望通りにできない難題オーダー(女性/26歳)

 

「クセ毛を真っ直ぐのストレートにしたい」と縮毛矯正をしにきたブラジル人のお客さま。

出稼ぎで日本にきていて、たどたどしい日本語で「真っ直ぐにしたい」とヘアカタログでストレートヘアの写真を見せられました。クセが強いため「ご希望のようには縮毛矯正がかからないかもしれない」と伝えましたが、それでもやりたいとのこと。

そして、案の定かかりが弱い仕上がりに…。「この下手くそ!」とたどたどしい日本語で一言。とても悔しかったので、何回かやらないと無理なことを伝え、後日再度サロンにきていただくことに。通常の縮毛矯正の工程を計3回やり、真っ直ぐになりました! とても喜んでくださり、私もうれしかったです。もちろん、料金は3回分いただきました(笑)。


先輩スタイリストも断れないVIPのわがままオーダー(男性/28歳)

 

 

当時アシスタントだった自分と、担当スタイリストで、女性社長のお客さまをカラーしていたときのこと。

カラー中に読んでいた雑誌の紙面を指差し「あっ!これ飲んでみたい! そんな遠くないからアシスタント君買ってきて!」とわがままを言われました。「またまた、ご冗談を〜」と返したら「は? すぐ行ってきて」と返される始末。

言い方は悪いのですが、毎月きてくださり金額も使ってくださるVIPのお客さまだったのでスタイリストも断れず、自分が買いに行くことになりました。サロンとそのショップは自転車で往復1時間。「パシリってこういうことか…」と初めて思いました(笑)。


要望に応えたはずなのに…1ヵ月続いた電話クレーム(男性/32歳)

 

 

前髪カットでこられた新規のお客さま。カウンセリングで、スタイルの写真を見せた上で、前髪カットをしたのですが「なんか嫌だ」と不服そうに退店されました。

ご希望のイメージと違ったのか、翌日から約1ヵ月、毎日のように「私の前髪どうしてくれるのよ」とサロンにクレームのお電話がありました…。もちろん、電話の度に誠意を持って謝罪しましたし、またぜひきていただきたいことも伝えました。

しかし、結局ご納得いただけず、なぜか1ヵ月後からパタリと電話はなくなりました。


寒空の下、車の見張り番をさせられ……(男性/29歳)

 

 

アシスタントだった頃、高級外車でこられた方に「サロンの前に車を停めさせろ」と言われ、本当に困りました。

サロンには駐車場がないので、「時間貸しの駐車場に停めてほしいと」お願いしましたが、お客さまは拒否。「駐禁を切られないように」とサロンの前に停められた車を約1時間、寒空の下で自分がずっと見ていました。

その後、そのお客さまに「ご苦労さん」と言われ、缶コーヒーを渡されました(笑)。「今後はサロンの前に停めないでほしい」と正直にお願いし、それ以来はルールを守ってくださっています。


泣いている赤ちゃんを「どうにかしなさいよ!」(女性/22歳)

 

生後3ヵ月の赤ちゃんを連れてこられた女性のお客さま。その方は、赤ちゃんが泣いているからか、来店したときから不機嫌な態度でした。私も含め手が空いているスタッフがいなかったのに、「どうにかしなさいよ!」と怒鳴り、他のお客さまもドン引き。

「ずっと抱っこしていて!」「ミルクあげて!」「なんか動画見せといて!」と私が終始お相手をすることに…。「私は待ってもいいから」と他のお客さまの気遣いにより、赤ちゃんの相手ができたので、赤ちゃんを連れてこられたお客さまの機嫌も最後はよかったです。ただ、「私はこんな母親には絶対にならない」と心に誓いました。


サーフィン好きなお客さま。カラー後、衝撃の一言(女性/27歳)

 

 

海沿いのサロンに勤めているので、必然的にサーフインをするお客さまがたくさんきます。ですが、あるサーファーのお客さまから、カラーをしたその足でサーフインをしたあと「色が抜けたから染め直して!」と言われたのは衝撃でした。

カラーリングでこられたそのお客さまには、「色を定着させたいので、今日は海に入らないでくださいね」とお見送り時にしっかりとお伝えしていました。

その3時間後にお客さまから電話があり、「染め直して」との要求。「え〜」と困惑しましたが、「サーフインをするのは歯を磨くのと同じで、しないとムズムズしてしまう」と言われ、渋々納得し、やり直しました。

今では、染め直す際に、褪色したときちょうどよくなるよう少し暗めにカラーリングをしています。お客さまも喜んでくれ、今でも通ってくださっているのはありがたいです。

 


美容師として働いていると、思わず「あるある」と共感してしまうエピソードもあったのでは? 

お客さまはそれぞれタイプが違いますし、美容師に求めることも違います。日々起こるいろいろなオーダーを乗り越えつつ、みんな頑張っています! もしお客さまから、一方的な要求をされたときは、このエピソードを思い出してみてはいかがでしょうか。

 

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