美容室で利き酒、味噌作り!? 堀江さんが新ブランド『JENO』が考える、美容室の可能性の広げ方
今年2月、新ブランド『JENO』を立ち上げた堀江昌樹(ほりえまさき)さん。美容室のある場所は変わらずとも内装をガラリと変えたり、定休日に美容とは違う分野のワークショップを開催したり。なんだかとても楽しそうな雰囲気です。「美容室の新しい価値を」と語る堀江さんの、新ブランドで目指すサロンブランディングをうかがいます。
ライフスタイルに「寄り添う」から「提案する」へ
—新ブランドの立ち上げは、どのような想いでされたのですか?
ひとつはこれまで培ってきた自分の経験や体験を、自分なりの形でアウトプットしたいという気持ちが強くなったというのがあります。美容の分野で挑戦してきたクリエイティブワークなど、自分なりに高めてきた感性を、「美容室」というひとつの世界にどこまで落とし込めるか挑戦したくなりました。
もうひとつは、『apish』という美容室の可能性を広げたかったというのがあります。apishの理念に、「100年続く企業」というものがありますが、違う角度からアプローチするチームがそこに入ることで、将来的に企業としての強さの一助を担えるかもしれないという思いもありました。
—『JENO』はどのようなコンセプトなのですか?
「ライフヘア」という言葉を使って、コンセプトを打ち出しています。ヘアスタイルの提案はもちろんなのですが、お客さまのライフスタイルまで提案できる美容室になりたいと思っています。
—ライフスタイルに寄り添うだけでなく、提案まで?
今はライフスタイルに寄り添ったヘアスタイルの提案が重要と言われています。ですが、僕たちはそれよりももう少しだけ、お客さまの生活に踏み込めないかと模索しています。
きていただいたお客さまに、自分の生活の延長と感じてもらえるような美容室でありたいと思っています。もしくは、ここにくることでお客さまの生活が、少しでも豊かになる場所。だから美容室そのものの空間や世界観、流す音楽は、すごく大切にしています。そういった要素が混ざり合って、美容室の空気をつくり出すのですから。リニューアルに際しても、そこにとても丁寧に取り組んだつもりです。
—どんなお客さま層をねらって?
ヘアスタイル提案のコンセプトとしては、シンプルでナチュラルな、心地よいヘアデザインをねらっています。オーガニックのものを好んだり、自分らしいライフスタイルを大切にされていたり、ていねいに物を選んだり……というような、洗練された大人の女性がイメージです。それに合わせて、ホームページのビジュアルや、取り扱う薬剤なども変えました。
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