日本よりも◯◯!? 日本の美容師が見た、ギリシャとデンマークの美容事情
ギリシャで10年、デンマークで1年半の美容師経験を持つ瀧澤香織さん。2つの国での経験はブリーチカラーが大好きな美容師だった瀧澤さんが、帰国後、ケミカルフリーのサロンを開くようになるほどの大きな影響をもたらしたそうです。あまり知られていないヨーロッパ2カ国の美容事情。海の向こうの人たちは、どんな美意識を持って美容室のドアを叩くのでしょうか。
ひと目で決めた移住先、ギリシャ
もともとはロンドンに行くつもりでした。25歳になったらヨーロッパに行くと決めていたんです。ですがその前年、24歳のときに旅行で訪れたギリシャの街に運命を感じてしまって。その3カ月後にはギリシャで働いている私がいました。私が暮らし、働いたのはギリシャ第二の都市、テッサロニキという港町。この街についた途端、絶対ここに住みたいという強いパッションが湧き上がったのを今でも思い出します。それから10年間、このテッサロニキで美容師をして暮らしました。
勤めたサロンはテッサロニキの中でも個性が強く、デザイン性の高いヘアスタイルを提案するお店でした。それもあってか個性的なお客さまが集まってこられて、楽しかったですね。オーダーの仕方が日本とは全然違うのが印象的でした。パンクならパンク、ロックならロック、というように自分のスタイルを持っていて、ヘアスタイルでもそれを貫いている人が多かったです。やりたいデザインがあって、その上で「あなたならどう思う?」と問いかけられる。美容師のクリエイティビティを刺激される毎日でした。
ギリシャ人は見られるのが大好き!
みなさんのイメージにあるかどうかはわかりませんが、ギリシャは女子力の高い女性が多かったです。シャンプー・ブローだけや前髪カットだけで、頻繁にサロンにこられますし、おしゃれについて話すのも大好き。友達同士で遊びに行くときには、まず誰かの家に集まってお化粧をしたり、洋服の相談をしたりしてから出かける、なんていう話もよく聞きました。美容室にも友達を連れてきたり、周りの人を巻き込んだりして、ワイワイ賑やかに過ごす人が多かったですね。
女子力が高いといっても、いわゆるモテるためという感じではないんです。どちらかというと「見られたい願望」が強い。人に媚びるのではなく、自分らしいおしゃれをみんなに見てほしいという感じでした。可愛くて、美意識の高い人ほどショートヘアにしていたような気がします。首都のアテネはもう少しコンサバティブ志向でしたが、私がいたテッサロニキはそういう感じでしたね。