職業はROCK MAMA! アメリカ在住のママ美容師の国を越えるセルフブランディング

 

NY在住のママ美容師、大津千夏さんのもうひとつの名前はROCK MAMA。「ROCK MAMA NYC」というプロジェクトを立ち上げ、ブログやSNSを通して自身のNYライフを発信しています。その投稿は日本でもファンが多く、インスタグラムのフォロワー数は1万9千人にものぼります。

 

そんな大津さんが今年7月、日本で期間限定サロンをオープン。自身のSNSでの告知だけで、2都市合計8日間の予約は即満席になったそう。アメリカ在住歴20年。顧客を持たない日本で、いったいどのようにして「ROCK MAMAに髪を切ってもらいたい」と思うくらいのファンを獲得したのでしょう。大津さんのSNSをフル活用したセルフブランディング術についてうかがいます。

 


 

きっかけは育児。美容師+自分にしかできない仕事をつくりたい

 

—まず、ROCK MAMA、ROCK MAMA NYCとはいったいなんなのでしょうか?

 

ROCK MAMAというのは私のことで、そのままですがロックなママ美容師という意味です。ブログでNYでの暮らしや子育ての様子などを発信しているうちに、読者の方たちからそう呼ばれるようになってROCK MAMAと名乗るようになりました。ROCK MAMA NYCはより本格的にROCK MAMAというブランドのクオリティを高めていくにあたって、写真家でアーティストでもある夫と組んで行なっているプロジェクト名。ROCK MAMAは私個人でありながら、家族プロジェクトでもあるのです。

 

—ご自身をそのようにブランディングし、ブログやSNSで発信しはじめたきっかけとは?

 

きっかけは息子が生まれたことでした。ソーシャルメディアでの発信を始めたのはここ3、4年のことなのですが、その頃は息子が幼稚園に入る少し前だったんですね。息子をできるだけ自分の手で育てたい。そういう思いもあり、当時、週2回しかサロンワークに立てていませんでした。

 

もっと働きたいけれど、サロンでは働きたくないというのがその頃の気持ち。

 

ニューヨークのサロンも日本と変わらず21時頃まで営業しているので、フルで働こうと思うと息子と向き合う時間がなくなってしまうんです。だけど私の人生の中で今大切なのは、息子との時間のほう。だからサロンワークの頻度は上げずにできることはないかなって。そこで自分で自分の仕事をつくりたいと考えるようになりました。

 

 

—当初はどんな仕事をしようと考えてスタートしたのでしょう。

 

スタートした時点では何をすればよいのかまったく見えていませんでした。ただ支持してくれる人がつけば、何かを始められるという予感はありました。それで息子と一緒にいながらできることとして、とりあえずブログでの発信を始めたんです。

 

はじめはそれこそ闇雲でしたね。毎日3〜4記事をアップしていました。そのうち人気のある記事がわかってきて、今のようにニューヨークでの日常や子育て、私のファッションについての発信を増やしていきました。

 

—発信を続けた結果、どのように仕事につながっていきましたか?

 

美容師としては日本人のお客さまが増えました。私の勤めているサロンは日系サロンでもなく、こちらから発信をしない限り日本人のお客さまはほぼいらっしゃいません。でもブログやインスタをやり始めてからは、在住の方や日本からの旅行者の方が訪ねてきてくださるようになりました。また先日の日本での期間限定サロンのお客さまも、すべてブログやインスタを見てきてくださった方たちです。

 

サロンワーク以外の部分でも今回の帰国にあたって、日本の百貨店で行うニューヨークフェアに声をかけていただき、来年参加させていただくことが決まりました。ROCK MAMAとしてできることが、今後広がっていきそうです。どれもソーシャルメディアがなければありえなかったこと。今がそういう時代でよかったと感じています。

 

>ROCK MAMAという個人に憧れや共感を抱いてもらう

 

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