セミナーを有効活用し、技術力をアップ! 鎌倉からトレンドを発信するデザインナー集団を育成!

 

メーカーやディーラーが主催している数多くのセミナー。ただ参加しているだけでは技術力アップ、売り上げアップにはつながりません。それではセミナーをうまく活用しているサロンや美容師はどのようなことをしているのでしょうか?

 

店全体で年間80セミナーを受講し、技術力を磨いたという鎌倉の美容室bianca。コンテスト入賞者常連サロン、鎌倉を代表するデザインサロンとして注目を集めています。その急成長の要因は外部セミナーの活用にあり。代表の中井宏昭さんにどのようにセミナーを活用し、サロンの成長へとつなげたのかを聞いてきました。

 


 

技術教育はすべてアウトソーシングへ

 

-年間80本程度のセミナーを受講されていたとうかがいましたが。

 

この80本というのは、最も多く受講していた10年ほど前の話ですけどね。僕だけではなく、基本的にはアシスタントも含め全スタッフで同じセミナーを受けていたので、毎週火曜日はみんなでセミナーに通うという生活をしていました。

 

—なぜこれほど多くのセミナーに通っていたのですか?

 

当時は今のbiancaの前身となる店(aquira hair designs)を横浜市金沢文庫でやっていました。あるときふとこの店の10年後を考えたのです。美容業界は今後どんどん人手不足になることは予測できていたので、このままだと良い人材を確保できず、店の勢いが失速する、という強烈な危機感に襲われました。ではどうしたらいいのか? と思案したとき、美容学生がこの店で働きたいと思えるような、地域を代表するブランド店になろう、という目標を見出したのです。

 

—地域を代表するブランド店とは?

 

東京の表参道・青山の美容室に引けをとらない高い技術力と最新のデザインを提供する店です。そのような店づくりをするために鎌倉で再スタートを切ることを決断しました。

 

鎌倉を選んだ理由は、10年以上前の鎌倉は今ほど街が盛り上がっておらず、おしゃれな美容室があまりなかったのです。けれども住んでいる人は上品で、美容感度の高い方が多かった。だから高い技術力と最新のデザインを提供する店をつくったら、そのような方たちに足を運んでもらえ、流行るだろうな、という直感が働いたのです。

 

—そこから地域を代表するブランド店になるための準備が始まったのですね。

 

そうです。高い技術力を提供するためにはスタッフの教育は欠かせません。当時は僕ともうひとりのスタイリストがスタッフに技術を教えていましたが、それでは僕たちレベルにしか育たない。もっと高いレベルの技術を持ち合わせた人材を育成しないと僕が目指すような店にならないと思い、教育はすべてアウトソーシングすることを決断しました。

 

もちろん、セミナーの費用は店が負担。定休日の火曜日はほぼセミナーが入ったので、スタッフには他の日に休みをとってもらっていました。セミナー受講も業務としたのです。スタッフたちはなんでこんなに毎週毎週セミナーに行くんだ、というテンションでしたね。けれどそれが続くと、店を絶対に変えたいんだ、という僕の思いが伝わっていったようです。

 

 

—カット、パーマ、ヘアカラーなど、どのジャンルもオールラウンドに受けていたのですか?

 

biancaを出店する際に、店の強みを明確にすることが必要だと思い、ヘアカラーのスペシャリスト集団と銘打ったブランディングをしました。だから最初のうちはヘアカラーに的を絞って学びました。

 

ヘアカラーの勉強をしていくと、ねらった色みを出すには髪の毛のコンディションがよくないといけないことに気づくのです。そうすると徐々にヘアケアの勉強にも力を入れるようになりました。

 

この頃にはbiancaはオープンしていたので、セミナーで得たものをサロンワークで試してみるようにもなっていました。しっかり勉強することで自信を持ってお客さまに提案、施術できるということをスタッフたちは肌で感じとり、さらにはどんどん客単価が上がりました。ヘアカラー率が上がると店の売り上げはこんなにも上がるのかと思うぐらい、グングンとアップしていきましたね。

 

—このように目に見える結果が出るとスタッフの士気も高まりますよね?

 

そうなんです。スタッフたちはセミナーで勉強したことをサロンワークで実践することで、最新のデザインをお客さまに提供している、という自信がついてきました。みんな生き生きとサロンワークを楽しむようになり、こんな風に勉強を繰り返したら店も自分も変われる、という思いがスタッフたちにも芽生えてきました。

 

>セミナー受講でのbianca流ルールとは?

 

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