「人」と本気で向き合える、理想のサロンをつくりたくて

 

QJ1_5454 

櫻井範子さんは、最初に就職したサロンで店長を務め、指名ナンバーワンのトップスタイリストとして活躍。その後独立してTOWAを立ち上げました。常に「人」と「感性」を大切に、美容師として最先端を走り続けて20年。ますますパワフルに輝き続ける秘訣は、どこにあるのでしょう。その生き方、仕事への向かい方などお聞きしました。独立してサロンを立ち上げたいという方も、必見です!

 


 

お客さまと一生つきあえる美容師をめざして

 

QJ1_5287

 

 

はじめに就職したサロンでは技術試験に受かるのも遅く、ほとんどビリ。先輩に「もし自分の先輩が何をしてもビリだったら、尊敬できないのでは?」と忠告されて奮起し、カットだけは一番早く試験に受かろう、と必死に練習しました。そのかいあってか通常の半分ほどの最短期間でスタイリスト試験に合格し、やればできるという自信もつきました。

 

 その後は、「お客さまと一生つき合える美容師に」をモットーに仕事に向かい、お客さまのご家族や、彼氏や彼女など、つながりのある方々も含めてカットするようなお付き合いをさせていただいていました。

 そうして店長にもなって9年ほどたったとき、会社が今までとは違う形態に変化すると知りました。出会えたお客さまと生涯のお付き合いをしたいと、いつも心に自分なりの「美容道」を持って動いていましたが、その思いがお客さまに届けられなくなってしまえば、自分の信念が崩れてしまうと思いました。そこで自分の思いに近いサロンを、もう一度いちから探そうと、15年目にしてはじめて、会社を辞めたいと思いました。

 

2カ月で開店資金づくりから、店舗改装まで

 

QJ1_5032

 

そのとき、以前一緒に働いていた先輩のサロンで働かせてもらうことができ、1年半ほど手伝わせていただきました。その期間で「理想の店は、自分で創らなきゃ!! やってみたい!!」という意志がはっきりと固まりました。

 

 店を出すと決めたらあっという間にいろいろ動きだし、また別の先輩が器の大きな方で、「まず開店資金をとにかく貯めろ。うちのサロンを面貸しするよ」と場所を提供してくださり、1ヶ月で400万円の資金をつくることができました。そして事業計画書の書き方をまた別の先輩から教わり、いろいろと相談しながら、前に進む勇気もいただきました。銀行の融資も最速で決まり、店舗を探し、自分で内装のイメージを描いて大工さんと試行錯誤しながら工事を進め……と、寝る暇を惜しんで一気に開店準備を進めました。

 

 人に恵まれている、とつくづく感じます。先輩方は「サロンに入りたての頃から手が遅いやつやったけど、ちゃんと最後までやり切るところが、おまえのいいところだ。本当にがんばっていた」と言ってくれたことを、今も覚えています。自分の知らない場所で、ちゃんと見ていてくれたんだとありがたく思いました。

 

>感性の鮮度が高いときに動いたほうが、うまくいく

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング